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エクシリアmore −過ちを犯したからこそ足掻くRPG−
第一話 代役
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ある砂時計型の物を台座から外そうとしている。
もうよせ、ミラ! 大精霊なんぞ体がマナで出来ているようなもの。これ以上近づけば君も分解されるぞ!
ミラの手がついに光る砂時計を掴んだ。砂時計は一瞬にして薄い円盤に形を変えた。
それが最後の抵抗だった。
ミラは四大ともども、引きずり込まれるように〈槍〉の砲口へと浮かび上がり、四大ともども砲口の中に入った。そして、砲口は閉じた。
床に落ちた、円盤となった起動キー。せめてこれだけでも!
掴みとる。間一髪。だがこのままでは壊れた橋から下の水路に滑り落ち……
「パパ!」
背中から抱きつかれる感触がして、滑落が止まった。この声は。
「フェイリオ」
「だ、だいじょう、ぶ?」
「ああ。何ともない」
フェイリオは私に抱きついたまま浮上する。そういえばお前は精霊術がミラやミュゼ並みに使える特異体質だったな。
陥没してない部分へ着地。フェイリオも浮遊を解いて床に下りてきた。
「ね、パパ……ミラさま、は?」
そう聞く所を鑑みるに、フェイリオは私がミラに接触したのを知っているんだな。
無言で〈クルスニクの槍〉を指差した。
「あの…中?」
肯く。するとフェイリオは両手で顔を覆って膝から崩れ落ちた。
「まさか今日が『そう』だったの? そん、な…そんなっ、わた、わたし、ジュードに」
「落ち着きなさい、フェイリオ。ジュードに会ったのか」
フェイリオは小さく肯いた。
「落し物をたまたま拾って…返して…街全体の発光樹が停まってたの。暗くて危ないから送るって言ってくれて……ちょうど見えたよ。水路でパパがミラさまとお話してるとこ。でも、ジュードの、断れなくって…家まで行って、別れてから、急いで研究所まで戻って…中に
侵入
(
はい
)
ったら、ミラさま、が…〈槍〉に…」
――最悪だ。
今日とは知らなかったが、ジュードとミラがラフォート研究所で会ったことは聞いていたのに。
まさか私たちの行動で二人が出会わないどころか、ミラと四大が〈槍〉に囚われてしまった。これでは
断界殻
(
シェル
)
を消す人間が集まらな―― !
「パ、パパ? あの…フェイ、なに?」
縮こまって私を見上げるフェイリオ。
フェイリオは〈妖精〉と渾名されエレンピオス一軍に匹敵するといわれる精霊術士。ミラが四大の力でやった飛行や水上歩行もできる。
ジュードが負うはずだった「ラフォート研究所に侵入して指名手配」という条件も、私がミラと共に行動した事で満たされた。
つまり今の私とフェイリオならば、「ジュード・マティス」と「ミラ=マクスウェル」の皮をかぶって歴史に介入できるということだ。
「パパ…? 何、考えてるの…?
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