暁 〜小説投稿サイト〜
エクシリアmore −過ちを犯したからこそ足掻くRPG−
第一話 代役
[2/6]
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
所から走ってきてる男の子。わたしとそう変わらない歳かな? 闇に紛れそうな藍色ベースのふ、く……
「……ジュー、ド……」
何でこんなとこで会っちゃうの。ずっとイル・ファンに住んでたけど、会う事なんてなかったのに。
「はっ、はっ……ありがとー、拾ってくれて。大事な物なんだ。それがないと単位が貰えなくなるとこだった」
にっこり。ジュードの笑顔には悪意がない。本当に偶然、落し物を拾ったのがわたしだっただけ。
「どう、ぞ」
「ありがとう。本当に助かったよ」
「い、いえ」
/Victor
――出て行けない。
ありもしない親心を引っ張り出して、フェイリオを外食に誘ったのが間違いだった。
フェイリオはこの世界の〈ジュード〉と話していた。フェイリオがあの少年を〈ジュード〉だと分かっているのかいないのかまでは、フェイリオが背を向けているせいで分からない。
!
今、何かが暗闇に乗じて、研究所を囲む水路に飛び降りた。
一瞬だが、あの金蘭の輝きは、間違えようもない。
今のは、ミラだ。
発光樹の灯りが消えてくれて助かった。
金時計を取り出す。クルスニクの血と連動して異能を引き出す時計を。――骸殻発動、2秒間。
ほぼ一瞬で水路の縁まで行って、すぐに水面上に光る浮揚陣へと飛び降りた。乱暴に着地したせいか、水が音を立てて跳ねた。
ミラがふり返った。音で気づかれたか。
ミラは人差し指を唇に当てた。
「危害は加えない。静かにしていればな」
――昔、ジュードに聞いた。ミラと初めて会ったのはラフォートの研究所でだった、と。確かにジュードはすぐそこにいる。まさか、今日が〈その日〉だとでも言うのか?
「〈槍〉を――〈クルスニクの槍〉を破壊しに来……」
最後まで言えなかった。突然現れた水球が、私を閉じ込めたせいで。
「静かにしてほしいと頼んだはずだけれど」
ミラの横……水の大精霊ウンディーネ!? く、この頃のミラは手加減というものを知らないのか!
「ん? 静かにするか?」
首肯すると、水球は弾けた。咳き込みながらも何とか浮揚陣の上でバランスを取る。
こ、この女、分史のミラ以上に取扱い要注意だ。
「咳は……まあ大目に見よう。君はそこで何をしていた?」
キミ、か。懐かしい呼ばれ方だ。正史のミラだけが「俺」をそう呼んだ。
「水の上を歩くという非常識をやらかす美女を見たら、追いかけるのが人の性だろう」
きょとんとするミラ。――人を濡れ鼠にしてくれたんだ。多少はぐらかしても罰は当たるまい。
「人とはそういうものなのか?」
「ああ。そういうものだよ。しかも、精霊の主マクスウェルしか
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ