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エクシリアmore −過ちを犯したからこそ足掻くRPG−
第一話 代役
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所から走ってきてる男の子。わたしとそう変わらない歳かな? 闇に紛れそうな藍色ベースのふ、く……

「……ジュー、ド……」

 何でこんなとこで会っちゃうの。ずっとイル・ファンに住んでたけど、会う事なんてなかったのに。

「はっ、はっ……ありがとー、拾ってくれて。大事な物なんだ。それがないと単位が貰えなくなるとこだった」

 にっこり。ジュードの笑顔には悪意がない。本当に偶然、落し物を拾ったのがわたしだっただけ。

「どう、ぞ」
「ありがとう。本当に助かったよ」
「い、いえ」






/Victor

 ――出て行けない。

 ありもしない親心を引っ張り出して、フェイリオを外食に誘ったのが間違いだった。

 フェイリオはこの世界の〈ジュード〉と話していた。フェイリオがあの少年を〈ジュード〉だと分かっているのかいないのかまでは、フェイリオが背を向けているせいで分からない。

 !
 今、何かが暗闇に乗じて、研究所を囲む水路に飛び降りた。
 一瞬だが、あの金蘭の輝きは、間違えようもない。
 今のは、ミラだ。

 発光樹の灯りが消えてくれて助かった。

 金時計を取り出す。クルスニクの血と連動して異能を引き出す時計を。――骸殻発動、2秒間。

 ほぼ一瞬で水路の縁まで行って、すぐに水面上に光る浮揚陣へと飛び降りた。乱暴に着地したせいか、水が音を立てて跳ねた。

 ミラがふり返った。音で気づかれたか。
 ミラは人差し指を唇に当てた。

「危害は加えない。静かにしていればな」

 ――昔、ジュードに聞いた。ミラと初めて会ったのはラフォートの研究所でだった、と。確かにジュードはすぐそこにいる。まさか、今日が〈その日〉だとでも言うのか?

「〈槍〉を――〈クルスニクの槍〉を破壊しに来……」

 最後まで言えなかった。突然現れた水球が、私を閉じ込めたせいで。

「静かにしてほしいと頼んだはずだけれど」

 ミラの横……水の大精霊ウンディーネ!? く、この頃のミラは手加減というものを知らないのか!

「ん? 静かにするか?」

 首肯すると、水球は弾けた。咳き込みながらも何とか浮揚陣の上でバランスを取る。
 こ、この女、分史のミラ以上に取扱い要注意だ。

「咳は……まあ大目に見よう。君はそこで何をしていた?」

 キミ、か。懐かしい呼ばれ方だ。正史のミラだけが「俺」をそう呼んだ。

「水の上を歩くという非常識をやらかす美女を見たら、追いかけるのが人の性だろう」

 きょとんとするミラ。――人を濡れ鼠にしてくれたんだ。多少はぐらかしても罰は当たるまい。

「人とはそういうものなのか?」
「ああ。そういうものだよ。しかも、精霊の主マクスウェルしか
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