マブラヴ
0819話
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
一瞬、ジョンの口から出た言葉に目を見開く。
本気か? そうも思ったが、俺に向けられている視線は決して冗談を言っているようなものではない。いや、寧ろこちらの真意を読み取ろうとしているかのような、そんな深い視線を向けていた。
これは間違いなく本気で言っている。
「……なるほど」
だが、そうなればそうなったで、逆に理解出来る事もあった。
視線の先に存在している、青い装甲をした人型機動兵器だ。
1997年という、まさか2000年にすら達していない状態で生み出された兵器だからこそ、色々と……それこそ、多種多様な人型機動兵器を見てきた俺にしてみれば、華奢で頼りないと思えるのだろう。
勿論VFのように、一見華奢に見えてもエネルギー転換装甲の類を使って見た目にそぐわぬ防御力を備えている機体もある。OGs世界で言えば、幾つもの防御装置を備えているフェアリオンなんかはその典型的な例だろう。
ニーズヘッグもバリアを複数装備しているとは言っても、基本的にはそっち系だと言ってもいい。
だが、今俺の目の前にある機体は違う。1997年という、俺の知っている年代からすれば遙か昔の技術で作られた機体なのだ。それも、先程の話が正しいのだとすれば、この機体は新型機という扱いになっている。
……いや、寧ろ1997年程度の技術で人型機動兵器を作り出した事に驚くべきか。
BETAとかいう宇宙生物が攻めてきている影響があるのは間違いないだろうが。
はてさて、オーストラリアに転移した事もそうだが、この年代もまた予想外の展開だったな。
「どうかしたのかね?」
「いや、まさかこれ程の過去の世界に転移するとは思ってなかったんでな」
「ほう? すると君の世界はもっと未来にあると?」
「ああ。西暦という年号は既に終わって新西暦という年号に変わっている。……そうだな、ざっと200年程度は未来だな」
ざわり、と。その言葉を聞いた軍人達がざわめく。
そのざわめきの中には、驚きの他にも希望、欲望、そのような色も混ざっている。
まぁ、無理も無い。話を聞いている限りでは、この世界は色々と危機的状況なのだろう。そこに200年未来に生きているという国家の代表がやって来たのだ。
上手くいけば起死回生の一手になる。そう判断してもおかしくないだろう。
「シャドウミラーという国家や、一国の代表でもある君が何故率先してこの世界に来たのかと、色々と疑問はあるが……ともあれ、先程から何度か言っているように、この件に関しては私だけで決められる事では無い。至急上司と政府の人間に君の事を知らせたいと思うのだが、構わないだろうか?」
「ああ、そうしてくれ。勿論こっちとしても構わない。俺達の目的はこの世界との交流というのもあるしな」
「っ!? ……至急政府の
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ