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ソードアート・オンライン 〜白夜の満月〜
弐:未踏の地
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っ!?!?!?」

疑問の叫びを上げるのはルーナ。まだ見ぬ《未踏の地》を求めてアインクラッド第53層に足を運び、難なく問題のボス部屋に辿り着き、乗り込んではみたのだが――――

「ふっざけんなよっ、硬ぇし速ぇしっ、茅場の野郎頭イッてんだろッ??????!!」

愚痴のついでに開発者の暴言を吐くタツキの顔には、焦りと怒りが浮かんでいる。未だ誰も倒せた事のないボスモンスターと言うだけあって、やはり一筋縄ではいかないようだ。

先ず、防御力が異常に高い。玄武の物とおぼしき甲羅をつけているからか、攻撃は通らなければ弾かれるばかり。これでは精神的な問題で挫折する者が後を絶たないだろう。

そして、速い。目視でギリギリ確認出来るくらいのスピードでの移動は、かなり面倒だ。移動回数自体はそこまで多くはないのが救いだが、面倒は面倒。

「あぁめんどくせぇっ、さっさとくたばれよこの亀野郎ッ!!」

ルーナも愚痴を溢しつつ片手直剣で応戦する。移動速度からか、直撃よりかする割合の方が高い。

「そろそろっ、寝といてくれませんかねぇっ??????!!」

短剣で応戦するクロもしんどいと言った様な表情だ。リーチの問題上、攻撃を通しにくいクロにとってこのボスモンスターはかなり辛いだろう。

「うえぇっ、気持ち悪いよこいつっ??????」

泣きながら細剣(レイピア)で戦うユナは、迫ってくる触手を斬り落としている。もともとスライムを見るだけでも泣き出す程ぬめっとした物が苦手なユナは、触手もお気に召さなかったらしい。

「マリ、危ねぇぞっ!!」

「うわっ、ありがとう、タツキ君ッ???!!」

エストックによる突攻撃で相手を怯ませていたためか、周囲の警戒を怠っていたマリに迫った触手をタツキの大剣がねじ伏せる。

「帰って寝たい??????」

無関係極まりない発言をしつつも、曲刀で腹部に斬激を浴びせるのはシュラーフ。ボスよりも睡眠を考える余裕がある辺り、彼女が一番強いのかもしれない。

「ラスト一本??????しんどいかもしれないけど、攻めて叩き潰すぞッ!!!」

直剣を頭上に掲げて声を上げ、同時に疾走するルーナにタツキとマリが続く。ラスト一本であってもヘタをすれば小1時間はかかるであろうボスだ、油断は出来ない。

「おおおぉぉぉっ!!!」

威勢の良い叫びを上げ、ルーナが移動開始寸前のボスに一撃を浴びせる。直後に移動を開始するボスに、一つの影が飛び込む。その人物は――――

「――――シュラーフ!?」

シュラーフだ。一番やる気を見せていなかった彼女が、ここに来て本領を発揮する気になったのだろうか。猛スピードで移動するボスを的確に捉え、曲刀で足を切断する。足を一つ失ったボスは体制を崩
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