赤は先を賭し、黒は過去を賭ける
[21/22]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
めようとしても離されて、彼女と白は殺される。
「世界が私達の思い通りに変えられるなんて甘すぎる認識でした。私達が第一に世界を変えて貰おうと介入し、外史を私の羽で事象干渉ループさせた事で、本当は甘かったはずの恋姫外史が残酷になってしまったんですから……」
赤い髪が舞っていた。
頸を飛ばされ、赤い髪が舞っていた。
慟哭と怨嗟の叫びを上げる彼女は、何度繰り返されようと白を想い、泣く。
「ただ……袁家の強化は公孫賛の死亡に繋がり、始まりの恋姫外史に近付きました。そして……徐晃が華雄を殺した事で同じく……」
最後の繰り返し、白の配下に異質なモノが混じり込んだ。
前までは居なかったはずのモノ。美人なのは確かだが、何処か信用のおけないモノだった。
「第二は外史に取り込まれていましたが……ループさせる為に使っていた私の頸と、存在固定する為に使っていた貴人ちゃんの弦が弾きだされ、最期に記憶が戻ったのはこの外史が今回のループで終わるから。第一も第二も、死に淵で記憶が戻るなんてなかったですし……」
張純、なんて名前は聞いた事がなかった。三国志を詳しく知らない彼女では無理も無い。
そうして、彼女は裏切り者が混じった事で心が折れ、世界の改変を諦めた。
カタカタ、と少女はキーボードをたたく。
場面が変わり、映し出されたのは黒と赤。憐憫と懺悔を向ける瞳は、どちらに向けてか。
「ごめんなさい。私達が直接介入すると外史自体が壊れるので介入できません。始まりの外史でも、剪定者等の外部の介入が終端に繋がりました。
ゼロ外史にする為には内部であなたが変えるしかないんです。
だから第一に……ほぼ全ての事象で死の運命にある……たった一人の為だけに戦っていたこの子に……せめて今回くらい救いを与えてください、黒麒麟」
回顧録 〜クラキヨルニオチテ〜
十一度目
同じように蒼天の下で目を覚ました。
彼女の最期を思い出すと狂いそうな絶望が胸を支配し
この場所から逃げ出したくなった。
それでも、彼女を生かす方法が分かったから、ギリギリの所で踏みとどまった。
そうして、いつものように彼女と出会った。
そうして、いつもと違う彼女と出会った。
彼女は変わっていた。
否
変えられていた。
初めての振りをして自分の有用性を売り込み
いつもの如く袁家に潜り込んで
この世界が変わった事を知った。
過去が違う。成り立ちが違う。生い立ちが違う。
其処は自分の全く知らない袁家だった。
全てが変えられてしまっていたのだ。
前のやり方はも
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ