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パズル&ドラゴンズ 〜Sundara Alab?l? L?'i?a P?n? lil? 〜
3話.減らず口と幼龍 〜ファーストブラッド〜
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プレシィ。
なにやら、犬猫に絡まれて半泣きになっている子供のようである。
あ、ちょっと可愛い、などと心の片隅でちらっと考えつつも、男は思わず駆け出していた。
「ああっ、大丈夫かプレシィ先生! ええいこいつらめ! せぇい!!」
そして駆け出した勢いそのままに、青いスライムに向かって飛び蹴りを浴びせた。
「ぷよよっ!?」
ぷよん、とした手応えと共に青いスライムは吹っ飛ばされていった。
「ぷよっ!」
「ぷよよっ!」
仲間が吹き飛ばされたことに対し、まるで仇を討とうとするかのように、残りのスライムたちが男めがけて突進を繰り出した。
咄嗟にガードの構えを取った男を、突進の衝撃が襲う。
が、しかし、
「はっはっは! きかぬ! きかぬぞスライムどもが!!」
「ぷよっ?」
「ぷよよっ……」
こともなげに衝撃を殺しきって仁王立ちした男を前に、スライムたちは警戒するかのように動きを止めた。
そこを見逃す男ではなかった。
「竦んだな…? その一瞬こそが、貴様らの敗因だ!」
即時、スライムたちにダッシュで近づき、男が最後の引導を渡す。
「そぉい! 猛虎硬爬山!! トドメだ!でぇりゃああ! 昇!竜!けぇえええん!!」
「ぷよよっ!?」
「ぷよよっ!?」
続けざまに男が放った版権ギリギリ、というかもうまんまのコンビネーションに赤と緑のスライムもまた、ぷよんぷよんと吹っ飛ばされていった。
ゼラチン質の体はよく弾み、バウンドを繰り返して地面に落ちた後、
「ぷよよ……」
と力なく霧散していった。
「ぬあっはっはっは!! アーイムウィナー!! 爽快痛快! 笑止千万! スライム風情がこの俺様に勝とうなどと、千年早いわ!! せいぜい、ぷより加減にでも磨きをかけて出直してくるんだなぁ!!」
両の拳を天に突き上げ、コロンビアとばかりに高らかと勝鬨を上げる男。
「ピィーー! ピィピィーー!」
すかさず擦り寄ってきて、全身で喜びを表現するプレシィ。
よしよしと頭を撫で男がタマゴを近づけると、プレシィはまた光となってタマゴに吸い込まれていった。
そして、フロアには男が一人佇むのみとなった。
「………ふっ」
しばし立ち尽くし、勝利の余韻を味わった後、男は俯き肩を揺らして笑うとすたすたと次の階への階段へ足を進めた。
先程までと同じ、来訪者をじっと待つ静けさを背中に感じながら、男は一言ポツリと呟き、歩き去っていった。
「………なんか、違くね………?」
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