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パズル&ドラゴンズ 〜Sundara Alab?l? L?'i?a P?n? lil? 〜
3話.減らず口と幼龍 〜ファーストブラッド〜
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さぁ! ここより、伝説の始まりだ!」

 「ピィーー!」

 「さればいざ! 行くぞプレシィ先生!」

 「ピィーー!」
 
 男の鬨の声に、力強く応えるプレシィ。相変わらずぷよんぷよんとそのゼリー質を最大限に生かすスライムたち。

 
 今ここに、戦いの火蓋が切って落とされた。

 
 が、

 
 「よぉーーし!」
 
 「ピィーー!」

 「ぷよんぷよん」
 
 「よぉーーし! よぉーーし!」

 「ピィーー!」

 「ぷよんぷよん」 

 「よぉーし! よぉーし……!」

 「ピィーー!」

 「ぷよんぷよん」

 「………」

 「……ピィ?」

 「ぷよんぷよん」

 


 「ちょっと待て! これ、この後、どうすればいいんだ!?」

 
 
 「ピィッ!?」

 
 男は空を仰ぎ、誰とは無しに絶叫した。

 いざ名乗りを上げたはいいものの、これから何をすればいいのか男には皆目見当がつかなかった。
 
 男をここに連れてきた人物の言によればここは、ある「ゲーム」の世界なのだという。
 ここが男の知るような「ゲーム」の世界なのだとしたら、すぐさま戦闘に入ったプレイヤーは手元で「パズル」をするはずなのである。
 そのパズルが攻防の、ひいては戦闘の全てだと言っても過言ではない。
 それほどに、そのゲームはパズルがなければそれそのものが立ち行かないシロモノだったハズなのだ。
 
 男の眼前にはそのようなパズルの類が出現している様子がない。
 手持ちのモンスターの属性に合わせた「ドロップ」を揃えて消し、モンスターに攻撃をさせる。
 そのために使用するパズルは、しかし男の手元に存在していなかった。

 「いやいやいやいや、待て待てちょっと待て。どうなってるんだ、こりゃ? どう見たってここは、『パズル&ドラゴンズ』の世界に間違いないはずなんだが。だってのに、パズルの盤面にHPゲージ、キャラクターアイコンその他もろもろ。インジケータの一つも見当たらないってのは、全体どうしたってんだ?」

 てっきりゲームと変わらずパズルで戦うものだとばかり思っていた男は、想定外の事態に軽くまごついていた。
 
 その隙を狙ったのかは定かではないが、ぷよんぷよんと跳ねていたスライムたちがついに、主と同じくおろおろして軽いパニック状態にあったプレシィに殺到した。
 
 「ぷよよん!」
 
 「ピッ!?」

 ゼラチン質の体当たりを受け、幼龍が弾かれたようにのけぞる。
 のけぞったプレシィに対し、スライムたちは更に、

 「ぷよよん、ぷよよん」

 「ピ、ピィ〜…」

 連続で体当たりを仕掛けた。たまらずによたよたと逃げ出す
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