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パズル&ドラゴンズ 〜Sundara Alab?l? L?'i?a P?n? lil? 〜
3話.減らず口と幼龍 〜ファーストブラッド〜
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「はぁー……」
塔を上へと登りながら、男は何度目かの溜息をこぼした。
その表情は例え冗談でも、「溜息つくと、幸せ逃げるゾ?」などとは決して言い出せないほどに、お通夜じみてどんよりとしていた。
原因は言うまでもなくエントランスでの一件だ。
男に選ばれることがなかった二匹のちびドラゴンたちが、見るからにしょんぼりとした面持ちで、すごすごと元来た方へと帰っていった様など、その場で跪いて懺悔でも始めたくなるくらいには男の心にトラウマものの衝撃を与えていった。
もう二度とあんな目に遭うのはごめんだ、と男は後に語ったという。
ドナドナド〜ナ〜と哀愁を込めて口ずさみ、しかしいつまでも辛気臭いムードではいかんと男はようやく少しだけ立ち直りを見せた。
「まぁ、またどっかでドロップ…じゃねぇや、会えるだろきっと。気にしたら負けだ負け。まだ何とも戦ってないけどな」
気づけば男は階段を登り終え塔の二階にたどり着いていた。
時間にして三分も経っていなかったので、この塔は外観よりも意外と小さいのかもしれないなどと男が思いつつ、歩を進めた時だった。
フロアに一歩を踏み出した男の前に、ぷよんぷよんと軽快に跳ねながら、一言で形容するなら『スライム』のような生き物が現れた。
数にして三体。それぞれ体色が異なる赤青緑のスライムが、ぷよんぷよんと男の前に並び立った。
男にとって、この世界に来て初の会敵の瞬間だった。
「ふふん、出たな三色スライムめ。お前たちに恨みは無いがここでいっちょう、華々しくデビュー戦を飾ってやるぜ」
いかにも「ボクたちザコです」と言わんばかりのぷよんぷよん達の前で余裕しゃくしゃくに啖呵を切りつつ、男は懐から球状の物体、さらに言えば「タマゴ」のようなモノを取り出した。
「記念すべき初陣だ! 派手に行くぜ…!」
そして上空にタマゴを放りつつ、男は高らかに名乗りを上げた。
「俺に勝利を見せてくれ! 頼んだぞプレシィ先生!!」
「ピィーー!」
宙空のタマゴから解き放たれた光が像を結び、可愛らしい雄叫びと共にそこに現れたのは、青き小さな首長竜、プレシィだった。
このプレシィこそが、男がエントランスで悩みに悩んだ末に選んだ幼龍だった。
「くぅ〜、やっぱりめんこいぜ! なんたっていっちゃん可愛かったからな! お前を選ばざるを得ないってもんだ! なぁ!」
「ピィーー!」
男の褒めちぎる声に、得意げに応えるプレシィ。出会ってまだ間もなかったが、男と幼龍のチームワークは万全のようだ。
「であるならばだ! 眼前で跳ねてるあのプリン体どもを俺たちのファーストブラッドとすることに、なんら問題はあるまい!
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