聖夜に捧ぐ『フローエ・ヴァイ・ナハテン』〜クロスクエスト〜
第四幕
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!」
絶叫するライト&リンと、アスリウに抗議をする《狩人》。
だが《嗤う神》はそれをやんわりと、馬鹿にするような顔で見て。
「当たり前じゃん。『人の嫌がることを率先してやれ』は僕と彼女の約束だよ」
「「「そっちのじゃねぇぇぇぇぇぇ!!!!」」」
《漆黒の勇者》と《純白の英雄》、そして《狩人》の宴は、まだ終わりそうになかった。
***
「……っ!」
シールドスキル、《シールドパニッシュ》の一撃が、襲い掛かってきたトナカイを號と吹き飛ばし、射線上にいた他のトナカイをも巻き込んで、それらを消滅させる。
「……いくらなんでもそりゃぁ無いだろ」
そのあまりの無力さ加減に、アクトはため息をつきたくなってしまった。感情が失われていても、これに対しては何と言うか、失望せざるを得ない。
このトナカイたちは、あまりにも弱すぎた。《双盾》のエクストラ効果である『盾で受けたダメージを反射する』だけでも、すでに何十体が討滅されたことか。つまり、彼らは自分の放った攻撃よりもHPが低いわけである。何と言う脆さ。
「せぁぁっ!!」
一方、白と黒の大剣一対ずつを駆使して戦うのは、つい先ほどアクト&ジンに合流したアツヤ。いと脆きトナカイ怪人たちを、その二対大剣を駆使して次々と討伐していく。
『ったく! いつまで出てくるつもりなんだよ……』
『そろそろ……止まっても……いいころだとは思いますけどね……ッ!』
「全く、企画者は趣味が悪いぜ……!」
悪我、性と共に悪態をつきつつ、アツヤはトナカイたちを蹴散らす。
ソードスキルを使わなくても、至極あっさりとその命をちらしていくトナカイたち。恐らく最初に接触したのはアツヤだが、その当初からあまりの弱さに呆れかえるしか手段がない。
だが、彼らはそれでも厄介だった。
まず一つ、やけに数が多い。いつまでたっても湧き出てくる。
二つ目に、死体が残る。これは最初の頃から気になっていたが、かなり邪魔くさい。
だが、それが実はとあるアクションを起こすためのキーであると、既にこの場にいる全員が知っていた。
「――――月光石火!!」
凄まじい速さで放たれた一撃が、宙に浮く似非サンタを深く切り裂く。
「HOOOHOOOHOOOO!?」
「全く、まさかこのトナカイどもを足場にして、あんたに近づくんだとはな……!」
――――そりゃぁ普通思いつかないぜ。
ジンは内心で感嘆する。
このギミックに最初に気が付いたのはアクトだった。なぜ死体が残るのか。気味悪がらせるためだけではあるまい、と予測した彼が、それを足場にして飛び上がり、上空に浮かぶサンタを攻撃するのだ
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