聖夜に捧ぐ『フローエ・ヴァイ・ナハテン』〜クロスクエスト〜
第四幕
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減だったね」
「そうそう。トナカイの殲滅サンキュー」
事実、無尽蔵にPopするトナカイ怪人は、ほぼすべて《狩人》ライトの太刀や双剣が薙ぎ払っていた。
『ふむ……そろそろ頃合いか。やはりキミたちが最初に勝利すると思っていたよ』
その時だった。
ゆらり、と時空が歪んだのは。
ライト、リン、《狩人》ライトの前に現れたのは、長いくせ毛の青年。キリシタンのカソックにも似た奇妙なコートを掛け、その下は着流し。下半身は灰色のズボン。黒いチェーンのネックレスに、十字架でもついていそうなところには鎌と『Y』の字が交差した奇妙な形のオブジェクト。
先端に行くほど赤くなる白いマフラーを巻いたその青年は、にやにやと嗤っていた。
「……誰だお前」
「アスリウ。ただ……キミたちには、《天宮陰斗》と名乗った方がはやいかな? 本当はこの体の使い手は『星龍明日華』っていうんだけどね……」
《天宮》。
それは、ライトたちをこの世界へと呼びだした存在。この奇妙な世界を創り出した、『《神》の化身』を名乗る男。
「いやぁ、それにしても手ひどくやられたねサンタさん。せっかく子どもたちの夢を壊してまであなたを《創った》と言うのに……それじゃぁ、もっとぶっ壊そうか。そっちの方が僕の大好きな人も喜ぶ」
そう言って、《天宮》はパン、と手を打ち鳴らす。
次の瞬間。
どこからともなく現れた、先ほどまで似非サンタがのっていたソリと巨大トナカイ怪人が再び現れ――――サンタに激突した。
めりょめりょと音を立てて融合していくソリとトナカイと似非サンタ。
「うわー」
「わー……」
「おえー……」
三人の感想をガン無視して、融合は進む。
すべてが終了した時。
「HAAAAHAAAAHAAAAA!!! Meeeeeeerrrrrrrrrrry Chriiiiiiistmaaaaaaas!!!」
「HOOOHHOOOHOOOOIII!!」
「HAAA!!HAHAHAHAHAHA!!!」
両肩からそれぞれトナカイ怪人の首が生えた、巨大化した似非サンタが、そこにはいた。
「うわー」
「わー……」
「おえー……」
先ほどと全く同じコメントを寄せる三人。だが直後、そのひきつった表情はさらにひきつることと相なる。
ズン、と音を立てて、袋の中から何かが取り出されたのだ。それは、全長三メートルを超すかと言う、大斧。それも、何故かやけに刀身が磨かれて、ギラギラと輝いているシロモノ。
大地に突き立たされたそれは――――すっぱりと、そこにあった大岩を切り裂いた。
「「なんだそれぇぇぇぇぇ!?」」
「おいあんた!趣味悪すぎるだろ!
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