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Muv-Luv Alternative 士魂の征く道
08話 焦燥
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ざいます!!」
「?」
「いえ!なんでもありません!!」
素直な感想を口にしたところ唯依の顔が朱に染まった―――単純な照れかと思ったが、それにしては些か反応が過敏だ。
それに首をかしげると慌てて何でもない告げる唯依。まぁ、本人が何でもないと言っている以上、敢えて踏み込む理由はない。
「――君には大恩がある。何かあれば気負いせず言うといい、微力ながら俺は君の力になろう。」
「はっ、ありがとうございます!」
目と言葉に力を入れて謝礼を述べる唯依。
リップサービスと思われているのだろうか、だとすれば心外だった。―――残った左目と擬似生体の眼球とでは視力差が問題となるため、両目とも同時に疑似生体を移植した。
その新たな眼球がちゃんとくっ付くまでの半年近い期間、自分は光を失っていたがその時、身の回りの面倒をよく見てくれたのが彼女だった。
またこの右半身に爪深く残る傷を負ったあの時、高熱で魘される自分が無意識に掴んだ手を引き剥がさずにずっと握ってくれていたと聞く―――恐らく、戻ってこれたのは彼女の存在が大きかったのだと今更ながらに思う。
彼女には返しても返しきれない恩と、自分たちの無力が彼女のような少女を死地に追いやったという負い目がある。
だが、新OSは兎も角、自分の考案した新型戦術刀は彼女の父が設計した74式長刀を駆逐する可能性がある……恩を仇で返す事になるかもしれないと思うと気が滅入った。
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