捕食者VS獲物達
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「な、なにを……!?」
ゴリラギルディは嫌な予感を覚え咄嗟に右手で振り払おうとしたが、それは異形の左手で押さえつけられてしまう。
その間にも獣の唸りは止まず、それにより戦慄は増長していく。
「や、やめろぉぉぉっ!?」
最早叫ぶ事しかできない。
そんなゴリラギルディへ紫色の少女が見せた表情は、悲哀を含んだものでも嗜虐的思考を感じさせるものでも無く……圧倒的なまでの“無”だった。
「……“風砲暴”」
淡々と述べられた言葉の直後、紫色と灰色混じる破壊の乱気流が零距離で容赦も無く放たれ、巨躯を持つゴリラギルディの全てを呑み込み、最後の叫び声すら上げさせずバラバラに吹き飛ばした。
全身を不揃いにブツ切りにされ転がるゴリラギルディから又も戦闘員と同じように、しかし戦闘員よりも格段に濃いオーラが放出され始め、少女も戦闘員の時と変わらず同じように吸い込んで咀嚼し、至福の表情で呑み込んだ。
ゴリラギルディが音もたてず燃え上がり消えていった後には、彼等の変態ぶりや厳めしさからは想像できないほど綺麗な宝石が転がっていたが、少女はそれをも摘み上げて口の中へ放り込んで噛み砕いた。
「……ごちそうさま」
少女はそれだけ言うと、荒れ果てた土地と凄惨な戦闘を何も感じさせない、穏やかなそよ風に乗って消えていった。
「な、なんなんだ……何なんだよアイツ!? く、喰って……!?」
「嘘、嘘よ……有り得ていいのこんな事……!?」
偶然その様を目撃した、赤と青の人影に気が付いていたかは、今となっては知る由も無い。
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