空白期 第12話 「勉強するはずが……」
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夫。至って健康だよ!」
「そう……ならいいけど」
ホッと一息吐きながら、迂闊にショウのことを考えちゃいけないと思っていると、はやてがアルバムを持ってきてくれた。開かれたそれには、今よりも幼いはやてが同い年くらいと思われる男の子と一緒に映っている写真が多く載っている。
「えっと……はやてって本当にショウと仲良しだね」
「一緒に映ってるのが多いからそう見えるかもしれへんけど、よう見てみるとショウくんの顔、結構嫌がってるんよ?」
確かに写真に写っているショウの顔は、基本的に笑顔じゃない。
はやてが抱きついたりしながら撮っているものばかりなので、必然的にふたりの距離は近くなっている。彼の性格を考えると、この距離感は嫌がりそうだ。けど裏を返せば、距離感に問題があるだけではやてのことが嫌いだとかそういう理由はないと言える。
「確かに笑ってはないけど……でも多分、ショウくんのことだからこの距離感が嫌だったんじゃないかな。あんまり人にベタベタしないし」
「私もそう思うな。本当に嫌だって思ってるならきっぱり言いそうだし」
「そう言ってもらえると安心やな。それに、ふたりもショウくんのこと分かってきてるみたいやね。お姉さんとして嬉しい限りや」
にこりと笑うはやては本当に嬉しそうだ。前にも似たようなことを言っていたので、本当にショウのことを弟のように思っているのかもしれない。いや、年齢的にあれなので家族のようにと表現しておいたほうがいいのかもしれないが。
「えっと……前にもお姉さんって言ってたけど、それってつまりはやてちゃんのほうがショウくんよりも早く生まれてるってことだよね?」
「うん、ショウくんの誕生日は11月やからな。わたしのほうが何ヶ月かお姉さん……なんやけど、出来が良いから困るんよ」
「え、出来が良いのに困るの?」
「困る。わたしとしては甘えてほしいけど、気が付けば甘えてしもうてお菓子とか作ってもらっとるし。だから太ってないか急に気になるときがあるんよ」
確かに女の子として体重が気になるのは分かるけど、別にはやては普通だと思う。それにきちんと節制できるタイプだから体型が急激に変化することはないのではないだろうか。
それにしても、甘えてほしいか。その気持ちは……分かるかも。
ショウは辛くても弱音を吐かない。だけどこちらが弱音を吐けば、微妙な感じになるかもしれないが励ましてくれる。私達に比べれば表情も豊かではないため、彼の心の内を理解するには何気ないことでも見逃してはならないだろう。
見逃し続けてしまえば、気が付けばショウの心は擦り切れてしまっている……なんてことも充分にありえる。はやては前からこう思っていた気がするし、魔法を知った今はより強く考えている気がしてならない。
そんなことを考えてい
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