マブラヴ
0818話
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「あ、ああ」
頷くジョンに、再び指を鳴らして影槍を解除する。
「む? これは……」
突然身体の自由が取り戻され、戸惑ったように呟くジョン。
「ここまで俺が異世界からやってきた存在だと目の前で見せて、それを納得した上で敵対するのならしょうがない。好意には好意を、敵意には敵意をってな。俺がどう行動するかは、そっちの対応次第だ。ほら、取りあえずこれを飲んでみろ」
呟き、次々に空間倉庫からペットボトルに入っている紅茶を取り出してはその場にいる軍人全員に放り投げていく。
「小将、まずは私が。彼がこちらに敵対的な行動を取っていないというのは分かりますが、それでも何があるか分かりませんので」
ジョンが何か口を開きかけたのを遮るようにして、護衛の1人がそう告げる。
視線で構わないか尋ねてくるジョンに頷くと、その護衛はペットボトルのキャップを外して口を付ける。
にしても、本気でここにいるのはジョンに対して忠誠心の高い部下達だけみたいだな。
今の護衛が口にした一瞬、他の者達も自分が代わりにと言葉を発しようとしていた。
こうして考えると、最初に出会ったのがジョンだったのは当たりだったか?
「な、何だこれは!? 甘い! 美味い! こんなに美味い飲み物、久しぶりに飲むぞ!」
そんな風に考えていると、護衛の軍人の叫び声が聞こえてくる。
表情に浮かんでいるのはただひたすらに驚きのみ。目には薄らと涙すら浮かんでいた。
「……何?」
思わず口を開いたのはジョンやその他の護衛では無く、あるいは青色の装甲を持つ機動兵器に乗っている者達でもなく、俺だ。
渡したのはごく普通のペットボトルの紅茶だ。それこそ、どの世界でもコンビニや自販機で買える程度の。なのに、何故涙を流すまで喜ぶ?
「……なるほど」
ただ唖然としながら涙を流している軍人と、それを見て急いで自分達もとペットボトルへと口を付けている軍人達へと視線を向けていると、ふとそんな言葉が耳に入ってくる。
そちらへと視線を向けると、何故か酷く納得した表情を浮かべているジョンの姿。
「どうしたんだ?」
「いや、君が正真正銘別の世界から来たというのを、心底理解出来たのだ。ああ、勿論今までの君の話を疑っていた訳では無い。だが、今の君の発言で心の底から納得出来たというだけの話だ」
ペットボトル入りの紅茶でか?
キョトンとした表情を浮かべているのが自分でも分かる。だからこそ、ジョンにしても心底納得したという感じで頷いていたのだろう。
「この世界の情勢については後で詳しく話すが、簡単に言えば現在地球は宇宙生物の脅威に晒されている。その影響で天然の食料を食べられる事が出来る者はかなり少なくなっており、その宇宙生物か
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