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ロックマンX〜5つの希望〜
第五十五話 別れ
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達を倒すことだからさ」

ルナ「そんなこと…させるかよ…」

バレットを握り締めながら立ち上がるルナにアクセルも笑みを深めた。

アクセル「じゃあ、まず君から鉄屑にしてあげる。その後、エックス達を殺してあげるよ!!」

狂った笑い声が静寂の闇に昇っていく。
冷たい空気の温度を更に冷まし、凍りつかせてしまう程に。
冷え固まった空気の中に、乾いた哄笑が虚ろに小霊する。
しかし、笑いが急に途絶えて、アクセルが頭を抱えて呻き出した。

アクセル「…た…す、け……て…」

ルナ「え?」

先程とは打って変わって掠れた声が彼から漏れる。
鮮やかな紅い瞳が濁り、苦しげに息を繰り返した。

アクセル「助けて…」

顔がくしゃくしゃに歪んでいた。
浮かぶのは狂気ではなく、苦痛と恐怖であった。

ルナ「アクセル!!」

アクセル「怖いよ…こんなの嫌だよ…僕……ああ!!」

乾いた銃声が響き、銃弾がルナの頬を掠った。
気がつけば、残酷な彼に戻っていた。
瞳に狂気が宿る。

アクセル「やだなあ、隙だらけじゃない。そんなんじゃ僕を倒せないよ?」

エックス「アクセルお前!!………」

激昂したエックスがハッと硬直した。
彼の瞳に宿るものが、彼の胸中を雄弁に語っていた。
彼を支配するのは、苦痛と恐怖、絶望であった。

“殺して”

“助けて”

双眸が必死に彼の本心を叫んでいた。

アクセル「ほら早く…こんなチャンスないよ?これで撃てなかったら…ハンター失格だよ…?撃てないっての?撃てなきゃ殺しちゃうよ?ほら…」

もう1つ銃声。
今度はエックスに向けられていた。
震える銃口から発射された弾は、エックスから大分離れた場所に飛んでいく。
彼の中で2人のアクセルがせめぎ合い、彼の支配権を得ようとしているのが分かった。

ルイン「アクセル…」

アクセル「いいから早くって言ってるだろ?早くしてよ!!伝説のレプリロイドって称号は偽物なの!!?皆を守るって誓いは口だけ!!?」

エックス達は武器を構えたまま動けなかった。
アクセルの気持ちに応えなければ、そう思っていながら、エックスもルインも、ゼロでさえ最後の一撃を出せないでいた。
誓ったはずなのに身体が動かない。

エックス「(俺達は、たった一人の仲間さえ助けられないのか…!!?)」

アクセルの意識は限界であった。
もう1人のアクセルが、自我を侵していく。
貧血で気が遠くなるような感覚が、寒気と共にアクセルに襲い掛かる。
倒れるわけにはいかない。
倒れたら…残酷な自分に戻ってしまう。

アクセル「早く…」

パァン……!!

迷いを断つ真っ直ぐな音がアクセルの頭を撃ち抜いていた。
ルナが放った一
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