クッキーとは何ですか?
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に置いて、
雪ノ下は由比ヶ浜に睨みを聞かせる。
「その周囲に合わせようとするの、止めてくれないかしら。
酷く不愉快だわ。
自分の無様さ不器用さ愚かさの理由を他人に求めるなんて、恥ずかしくないの?」
うわぁ…容赦ないなぁ。
ほら、由比ヶ浜もうつむいてるじゃねえか。
登校拒否になったりしないだろな…。
「………カッコいい…」
「「「はぁっ!?」」」
まてまて、何処がカッコいいの?
寧ろ相手の精神バキバキに折るようなセリフばっかじゃねえか!
「建前とか…そう言うの全然言わないんだ。
何て言うか、そう言うのカッコいい!」
「は、話を聞いてたのかしら。
自分でも結構キツいこと言ったつもりだったのだけど…」
あ、自覚あったのか。
寧ろ雪ノ下の90%は饒舌であると確信。
「確かに言葉は酷かった。
でも…本音って感じがするの…。
私…人に合わせてばっかだったから…ごめん!
次はちゃんとやる!」
次はってことは最初は手抜き?
つまりこれは失敗作だと言うことか…。
「さっきからそう言うの話の流れだったろ…。
で、雪ノ下。正しいやり方教えてやれよ」
「はぁ…私が作るからそれを見てやってみて…」
「うん!」
「ーーーーー成る程、これが本物か…」
最初よりも形が確りしているし、雪ノ下の作ったやつと比べると色合いが対照的だ。
「なぁ、これはどっちが正しいんだ?」
「いや、明らかに雪ノ下だろ…」
そうなのか…でも…ムグッ…美味いな。
「どうして上手く行かないのかしら…」
「うぅ…」
「あ、比企谷!それ最後の一個だったのに!」
「まだ由比ヶ浜のが残ってるだろ」
「俺の胃袋はお前ほど小さくないんだ!」
「ばっか、お菓子は別バラって言うだろ」
「聞いたことない…こともないな。
確かクラスの女子がそんな台詞を言っていた気が…ってああ!」
最後の一個が…おのれ比企谷ぁ…!
婆さん曰く『食い物の恨みは恐ろしい』って言う素晴らしい名言を物理的に教えてやろうか!
「なあ、何でお前ら美味いクッキー作ろうとしてんの?」
「へ?」
「……どう言うこと?
何が言いたいのかしら」
急に言葉を発した比企谷に、雪ノ下と由比ヶ浜は訝しげな視線を比企谷に送った。
「10分後、ここに来てください。
俺が本当の手作りクッキーを見せてやりますよ」
「へぇ…大した自信ね。
由比ヶ浜さん、外へ出ましょう。
このヒキコモリ君が手本を見せてくれるそうだから」
「おい、人の名前を変な風に呼ぶな」
そんな比企谷の言葉を危機もせずに、二人は家庭科室から出ていってしまった。
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