青の登場と状況悪化
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馬の声は例えラースへ話しかけているものだとしてもばっちり周りに聞こえる為、傍から見れば中二病とか人の事が言えないのだろうなと思いながらも、音量を落としてラースに問う。
『アイツら凄んいぐらいのツインテール属性をもってルゼ! クソったれな程美味そウダ!』
「……オイ」
『わーってるよ相棒。というか動けないから食えなイシ』
「……はぁ」
溜息を吐きながらも、瀧馬は彼等が中二病であるという事以外に、もう一つだけ可能性を思い浮かべていた。
わざわざ隠すように内緒話をするのなら、通学路では無く家で堂々と話せばいいだけ。ならば何故に彼等はこんな所であんな話をしていたのか?
そして愛玩動物扱いと観束は言っていたが……それを言うならテイルレッドが愛玩動物扱いなのではなかろうか?
まさか、彼等は―――――
(考え過ぎか、突拍子もなさすぎる)
瀧馬がそう考えていると、観束と津辺に気付かれない様にコソコソと、透き通った銀色という現代日本はおろか外国でもいるかどうかが分からない、しかし染色したとは感じられない髪色のロングヘアを持つ、白衣に様でいてコートの様でもある服を羽負った少女が、彼らの背後へ近寄って行く。
「……何だあいつ?」
『変人じゃあねェノ?』
「それには同意だが……」
そして、巻き込まれない為にと念を入れて少し離れた矢先。
「ぐぎゃああああああぁぁぁぁぁぁ―――――――――」
『オオ、ホームラン級ダゼ』
ドゴガッ! という何処か爽快感漂う効果音の後、悲鳴を上げて残響の尾を引きながら、銀髪の少女は遥か彼方へ飛ばされていった。
見ると津辺は脚を振り上げており、蹴飛ばしたのであろう事が窺える。
「おはようございます!」
「んっ!?」
いきなり後ろから声を掛けられ、振り向いてみるとメイドは少し離れた位置にいるが他は誰も居ない……否、目線を傾けて下方向に居たのに瀧馬は気が付く。
陽月学園の生徒会長が居たのだ。
「あ……おはようございます……」
「はい! 今日も一日がんばって行きましょう!」
「……」
何故自分に挨拶をしたのだと思いながらもつい返してしまった瀧馬だったが、続いて観束や津辺にも挨拶をした辺り、出会う生徒たちすべてに声をかけているのだろう。
名も知らぬ生徒ですらあいさつを欠かさない、それは生徒会長の鑑とでも言うべきであろうか。
会長はその後観束達を少し会話を交わし、いきなり観束へと顔を近づけて意味深な笑いを見せ、そのままメイド達に囲まれながら去って行った。
ギリギリで聞
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