一歩踏み出し踏み外す
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肩を落としながらも、準備をしてからとある場所へと向かった。
それは家の裏手の森林の奥。念のために水なども常備して踏み入っている。
『よーしここなら人はいねえダロ。』
ラースの声に反応し、瀧馬は少し開けた場所で歩みを止めた。注意深く辺りを見回してから、瀧馬は呟く。
「しかしちょっと実感がわかねえな……精神の力が他のどのエネルギー源よりも強いとは」
『真剣な態度で臨むノト、ふざけてやるのじゃ効率が目に見えて変わっタリ、スポーツで根性論とかあったりするダロ。アレの拡大版だよ拡大版』
「そう言われれば納得できそうだな」
生きよう生きようという強い気持ちで難病を克服したり、すこぶる元気だった人が追い詰められたせいで早死にしたりと、確かに言われてみれば精神が及ぼす力は、それが正であれ負であれ並はずれた物だとも言える。
それが結晶化したとなれば、莫大な量の力を持つに至るのであろう。
「それでだ。お前が教えてくれた……変身ってのは、如何やるんだ?」
身元バレしない為の策、それが今瀧馬の言った“変身”である。
ラースによれば、人間姿でもそれなりに強いしエレメリアンにも攻撃は通るものの、やっぱり火力や硬度に問題があるので、自分の力を活かして変身すれば正体を隠せて一石二鳥、という事らしい。
『俺が力場を作った合図で“コネクト”って言うかラヨ、そこからお前は変身すると言う感情を強く持って念ジ、“コールズセンス”って言ってクレ』
「……念じるだけじゃあダメか?」
『何事も形かラダ、それにそうした方がイメージしやすいダロ?』
「まあ、言わんとする事は分かるが……」
全くの初見で変身するイメージを強く持つのは確かに難しい。だからラースは掛け声と言うモノを提案したのだ。
スポーツだって何だって、実は何事もイメージが成功する為に大切なものなのである。
「すぅー……はぁー……」
『……いイカ、相棒?』
「……ああ!」
瀧馬の声に答え、ラースが声高に叫ぶ。
『コネクトォ!!』
それに続いて瀧馬が、左手を前に構えた。
「コールズセンス!!」
途端、彼の体を生き物の様に蠢くオーラが包み、完全に姿を覆い隠す。そして一瞬グッと縮こまったと思った次の瞬間、はじけ飛ぶようにオーラは霧散し、新たなる姿となった瀧馬が現れた。
「これ……は」
変身後のその姿は……テイルレッドとは違い、お世辞にもヒーローとは呼べないものだった。
左腕は手首からかなり小さいが特徴的な形状の刃状突起が生
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