暁 〜小説投稿サイト〜
寄生捕喰者とツインテール
一歩踏み出し踏み外す
[6/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
肩を落としながらも、準備をしてからとある場所へと向かった。


 それは家の裏手の森林の奥。念のために水なども常備して踏み入っている。




『よーしここなら人はいねえダロ。』



 ラースの声に反応し、瀧馬は少し開けた場所で歩みを止めた。注意深く辺りを見回してから、瀧馬は呟く。



「しかしちょっと実感がわかねえな……精神の力が他のどのエネルギー源よりも強いとは」

『真剣な態度で臨むノト、ふざけてやるのじゃ効率が目に見えて変わっタリ、スポーツで根性論とかあったりするダロ。アレの拡大版だよ拡大版』

「そう言われれば納得できそうだな」




 生きよう生きようという強い気持ちで難病を克服したり、すこぶる元気だった人が追い詰められたせいで早死にしたりと、確かに言われてみれば精神が及ぼす力は、それが正であれ負であれ並はずれた物だとも言える。

 それが結晶化したとなれば、莫大な量の力を持つに至るのであろう。



「それでだ。お前が教えてくれた……変身ってのは、如何やるんだ?」



 身元バレしない為の策、それが今瀧馬の言った“変身”である。

 ラースによれば、人間姿でもそれなりに強いしエレメリアンにも攻撃は通るものの、やっぱり火力や硬度に問題があるので、自分の力を活かして変身すれば正体を隠せて一石二鳥、という事らしい。



『俺が力場を作った合図で“コネクト”って言うかラヨ、そこからお前は変身すると言う感情を強く持って念ジ、“コールズセンス”って言ってクレ』

「……念じるだけじゃあダメか?」

『何事も形かラダ、それにそうした方がイメージしやすいダロ?』

「まあ、言わんとする事は分かるが……」



 全くの初見で変身するイメージを強く持つのは確かに難しい。だからラースは掛け声と言うモノを提案したのだ。
 スポーツだって何だって、実は何事もイメージが成功する為に大切なものなのである。



「すぅー……はぁー……」

『……いイカ、相棒?』

「……ああ!」




 瀧馬の声に答え、ラースが声高に叫ぶ。



『コネクトォ!!』


 それに続いて瀧馬が、左手を前に構えた。



「コールズセンス!!」



 途端、彼の体を生き物の様に蠢くオーラが包み、完全に姿を覆い隠す。そして一瞬グッと縮こまったと思った次の瞬間、はじけ飛ぶようにオーラは霧散し、新たなる姿となった瀧馬が現れた。




「これ……は」



 変身後のその姿は……テイルレッドとは違い、お世辞にもヒーローとは呼べないものだった。


 左腕は手首からかなり小さいが特徴的な形状の刃状突起が生
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ