一歩踏み出し踏み外す
[5/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
だから、やはり止めるべきであろう。
続いて画面に流れ始めた映像は、どうやらブルマ好きらしい亀の怪人がもうブルマは殆ど現存していないと知り怒り狂ったり、次は自分の番だと怪人たちが次々とおどり出てきて、最後には暫くお待ち下さいと矢鱈コミカルな音と共に映像が途切れると言う、またもや微妙な心持になるのを抑えきれない状況だった。
パソコンの電源を落としてから瀧馬は何回目かの溜息を大きく吐いて、半袖半ズボンに着替えてさっさと横になり、寝る事にした。
『相棒ヨ、明日マジで後悔するけど俺の所為じゃあないかラナ。そこんとこ宜シク』
ラースの台詞の意味や、まだまだ聞きたい事はあったが、疲れからの眠気を抑えきれず、瀧馬は結局睡魔に負けて眠りに落ちるのだった。
・
・
・
・
・
次の日の朝。
小鳥の囀りが聞こえ朝日も柔らかで、朝に弱い人でも快調な滑り出しが期待できそうなその日。
「ぐ、おおおっ……! か、らだが、上手くっ……動かな、いっ……!?」
『だーから言ったろうガイ、後悔するぜッテ』
良き日だと言うのに快調とは真逆の滑り出しで朝が始まった人物が居た。……瀧馬である。
彼が今日朝起きてみると、体が上手く動かせない事に気が付き、無理に動かそうとすると筋肉痛とはまた違う痛みが走って、碌に動けない状態である事を悟った。
ここにきて漸く瀧馬は、ラースが昨日言っていた「後悔する」と言う台詞がどういう意味を持つか、それこそ文字通り身をもって体感したのである。
『言っとくが俺の所為じゃあねェゾ。親切な忠告を無視した相棒の責任だかラナ』
「それが分かっているから……こそ当てる場所のない怒りが渦巻く……っ!」
『……言っておいて何ダガ、マジで大丈夫か相棒?』
「少なく、とも……学校には行けねぇ……」
『だろウナ、冗談抜きで本当に動けないんだから、学校通いも苦行になっちマウ』
取りあえず朝ご飯は食べ終え、一応という事で着替えたらしく、彼の腹は鳴っていないし服も寝巻では無い。
だが、場所は朝一番と変わらずベッドの上である。
『細胞も力も定着しきって無い状態で動きまくるかラダ……昼まではその状態が続クゼ、構えとけよ相棒』
「……半日足らずでも地獄だな、コレは」
苦笑も出来ず瀧馬はガクリと頭を枕へ向けて落とす。こうして非日常への第一歩は、何とも情けない状態で始まった。
ようやく時間が過ぎて、スムーズとは行かなくても痛みなく体を動かせるようになった頃には、もう既に三時前となっており、瀧馬は無駄な時間がかなり過ぎたと
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ