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寄生捕喰者とツインテール
一歩踏み出し踏み外す
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《ねぇねぇねぇねぇ! 名前っ! 名前を教えて!!》
《え、あ、あの、テイルレッド……》
《もう我慢出来ないっ! えーいっ!!》
《へ? ってむぎゅっ!?》
《きーめた! 今日からこの子は私の妹ね!!》
《何を言っているの!? ……私の妹に決まっているでしょう!》
《助けてーっ!? はなしてぇーっ!? ふえぇーん!》


「……」
『……』



 例えアルティメギルと言う、恐らくは変態であろう者達が襲来せずとも、世間には大量の変態が存在する……そしてテレビは今、その変態を主に映す装置となっている事を。

 見た目整った女子高生ですら涎を垂らし、飢えた猛獣ばりの勢いを見せるその様を見て、余りに衝撃的な映像だからか瀧馬は勿論ラースですら一言も発さず、瀧馬はゆっくりと指を動かしアニメ専門チャンネルへと変えた。



 一通りアニメを見終えてから、次に立つ間が手を掛けたのはノートパソコンだった。即席で机を用意して瓦礫をどかし、コンセントにプラグを指して電源スイッチに触れ起動する。

 そしてとある動画サイトを開いて、ワードを入れて検索を開始し、出てきたテイルレッドに関する動画を片っ端から無視しながら、やがて一つの動画のサムネの上で左クリックした。



『相棒、何探してンダ?』

「アルティメギルの連中が主に乗ってる動画だ」

『成る程、だからテイルレッドをとばしてた訳カ』

「そういう事だ」



やがて動画が再生され、画面上には龍の様な外観を持つ怪人が玉座に座っている映像が流れ、更にその竜怪人も映像の類で空中に映っており、撮影されたのは住宅地だと周りの景色から分かる。



《我々は異世界より襲来せし神の徒たる集団、アルティメギル!! 我らは貴様らに危害を加えるつもりは無い! 我々が欲するのは各々の持つ心の輝き(ちから)ただ一つ! 抵抗した所で勝機など無い! だが、抵抗さえしなければ一切の安全を保証する!!》


「危害を加えるつもりは無いね……矛盾している台詞とはこの事だな」

『ダナ。人間の情熱を毟り取るだけでも危害を加えてるに相違ないだろうニヨ。しかもツインテール属性を奪い終えたら次に狙いを定めるだろうニナ』

(……やっぱりツインテールなのか、基準は)



 瀧馬もちょっとは持ち直そうとしたが、如何取り繕っても残念な気持ちになるの抑えきれず、目の前に広がっている光景とは裏腹に、中身はかなり微妙なものだと改めて認識せざるを得ない。


 本当いまいちシリアスになり切らない、酷くスケールの小さい世界侵略があったものである。


 まあそれも個々を見ればの話。最終的に行く所までいった世界は、恐ろしい程に情熱を無くした空虚な世界なの
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