一歩踏み出し踏み外す
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ったソファーへ腰掛けた。
ようやくといった感じで一息ついた途端、腹が減っていた事に気が付いたか、冷蔵庫の方へと再び歩いて行く。そして、取りあえずとばかりにサンドイッチを取り出して、サイズの関係もあってかものの数十秒で食べ終えて緑茶を飲んだ。
「ふぅ……さて、お前にはまだ聞きたい事があるからな。質問させてもらう」
『いいぜいいいぜ何でも聞きな相棒。犬っころと居た時は暇で暇で仕方がなかったカラ、おしゃべり大歓迎ダゼ』
本当に普通に話すのは久しぶりなのだろう……エレメリアンの喋り方は、何処か子供の様な雰囲気を感じ取らせた。
「一つ目……お前名前は?」
『ラース、そう呼んでクレ』
「ならラース、二つ目だ。喰うっては文字通り物理的に食うのか?」
『それもあるが、あと二つ方法がアル。一つが奴等を倒して残留し出した属性力を吸い込む様に喰う事。もう一つが奴らを倒した後に残る核とも言える結晶、属性玉を喰う事ダナ』
「そうか」
ホッと溜息を吐かんばかりの表情になった瀧馬へ、寄生したエレメリアン……改めラースが、思い出したように付け加えた。
『ああそウダ。言っとくが幹部クラスにもならないと属性玉は碌なのが無ェシ、残留した物もそこまでエネルギー量は多くねえから、やっぱり多く取り込むにゃ直接食う必要があルゼ』
「……今聞きたくなかったな、それは」
『そういうナヨ。それにどの道多く喰らわねぇと行けなイゼ? 何せお前の体を元の細胞で再構築するためにエネルギーが必要だかラナ』
「そうか……何!?」
今し方サラッと飛び出した言葉を受け流しそうになり、極めて重要だと言う事に気が付いて、そうする必要がないのに瀧馬はガバッと起き上がり、自分の腹を覗き込んだ。
「本当か!?」
『流石に完ぺきとは言えないからやっぱり俺の力は残っちまウガ……少なくとも今より人外染みな無くてもスミ、且つ俺が中から出て行っても存在可能な体に出来ル。……どれだけ掛かるか知らないガヨ』
思わぬところで希望が出来たと、先程の落胆を盛り返すかのように瀧馬は嬉々とした顔になった。まあ当たり前だろう、誰だって正体不明な存在と一生を共にしたくは無い。
しかし、希望と一緒にやってきたのは、早く離れたければエレメリアンを直接喰う他無いという、何ともいや〜な現実も一緒にであり、嬉々とした表情はすぐに微妙なものへと変わる。
『せめてもの礼としてこの世界ではこれ以上、必要が無けりゃ感情を貪り喰わないって約束すルゼ。必要あっても廃人レベルまで喰わないってのモダ。こう見えても義理堅いんデネ』
「見えないがな、お前の姿は」
『
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