暁 〜小説投稿サイト〜
寄生捕喰者とツインテール
一歩踏み出し踏み外す
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 説明終了から数分後。


 今瀧馬は、部屋の中でぐちゃぐちゃになった家具や瓦礫をかき分けながら、何かを必死に探し続けていた。



『なあ相棒(バディ)ヨオ。何探してんださっきカラ』

「言ったら碌でもない事が返ってくるだろうから言わん。……というか相棒(バディ)ってなんだ」

『マジモンの運命共同体ダゼ? これから長げぇ付き合いになんだカラ、相棒と呼んだっていいだろウニ』

「ハ、別の意味で碌でもねえ……」



 単純感情種のエレメリアンが問うた何を探しているかには結局答えず、瀧馬は引き続き掻き分けて探し続ける。

 そういった単純作業を繰り返すこと数分。

 瀧馬の掻き分ける手が止まり、瓦礫を横にやるのではなく大きくどかして、それまでの動作とは対照的に優しくそこへそっと手を差し込む。


 そして彼の手の中に抱かれていたのは……所々食いちぎられた、傷だらけの子犬だった。



『アア、供養でもするつもリカ?』

「……お前は――――」

『言っとくガナ、その犬っころは滅茶苦茶に暴れ出してたんダ。流石に強くは無かったがこっちもギリギリ、手加減しろってのが無理ダ。それニナ、生きたいっていう欲望まで完璧に食い尽くさなケリャ、お前さんエネルギーが足りず死んでたんダゼ? 一時の感傷でテメーの命を無駄に出来るノカ? 相棒ハヨ』

「……わかった……だが供養はさせてもらう」

『気にしねぇからどうぞご勝手ニ』



 その後は何の会話もせず瀧馬は黙って、奥にあったが為に無事だった冷蔵庫からハムを取り出し、地面を掘って埋めて木の板を立て、更にハムを盛り付けて傍に置くと、静かに手を合せて拝んだ。

 これで子犬の無念がはれた訳では無かろうが、何もしないよりはした方が良い。


 庭から家へと上がった瀧馬が次に取った行動は、取りあえず家の中を片付ける事だった。流石に元の状態に戻したりは出来ないが、ある程度隅に寄せて空間を広くとる事は可能だろうと、人並みなどとうに超えた腕力で瀧馬は次から次へと運んで行く。



『おい相棒。やりたい事は分かるガヨ、今日は止めとケヨ。明日絶対に後悔すルゼ』

「今やらなけりゃあ後々面倒臭くなってくる。なら今やっておいた方がいい」

『や〜れヤレ。見た目に反して意外と真面目なこったネェ……』

「見た目と性格は関係ないだろうが。それこそ趣味趣向種のエレメリアンだって見た目と違って変態の集まりだろうに」

『オォいい例えダナ! ……ヤ、つーか面倒臭いかラヨ、アイツらの事は“アルティメギル”てよビナ』




 言いながらも手と体を動かして、部屋を着々と片付けて行く。粗方物をすみっこへとやり終えた後で、瀧馬はボロボロにな
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