第一章
[2/2]
[9]前 最初 [2]次話
うからな、ははは」
次に笑って述べてきた。
「まあ待ってりゃいいさ」
「そうだよな、やっぱり」
「桜が見ているぜ」
彼等は言う。
「優しくよ」
「そういうことだな。桜ってのはやっぱりいいもんさ」
痩せた男は酔った目で桜を見る。その顔も完全に酔っているがそれでも桜はしっかりと見ていた。
「心をな、安心させてくれるからな」
「はあ」
「だから娘さん」
優しい声をかけてきた。
「待ち人来たらずなんてのは考えなくていいからな」
「ゆっくり待てばいいってことだな」
太った男も言ってきた。
「そういうことだろ」
「その通りだ」
彼は同僚に応えた。
「じゃあこのままいればいいんですね」
美佐子もそれを聞いて何か安心してきた。それで問うた。
「そうですよね」
「ああ、そういうことさ」
「わかりました。それじゃあ」
こくりと頷いた。その言葉を受けることにした。
「このまま待ってます」
「おう。じゃあな」
痩せた男はここで左手で敬礼するような仕草をしてみせた。悪戯っぽい仕草だがそれがやけに様になっていた。何処か気さくでそれでいて格好がつくものであった。
「またな」
「はい」
「じゃあ俺も」
太った男も仲間の真似をして左手で挨拶した。右手の一升瓶が絵になっている。
[9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ