第百八十話
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第百八十話 華奈子に話して
華奈子が学校から帰るとだった、ライゾウはすぐに目を覚まして彼女のところに行った。タロもライゾウに同行した。
そうしてだ、こう華奈子に言ったのだった。
「何か歯が痛いんだよ」
「虫歯?」
「ご主人もそう思うかい?」
「歯が痛いっていったらそうでしょ」
それで、と返す華奈子だった。
「やっぱり」
「いつも歯は磨いてるんだけれどな」
「歯磨きがいい加減だったんじゃないの?」
こうライゾウに言うのだった。
「それでなのよ」
「虫歯になったのかよ」
「若し虫歯ならね」
それならというのだ。
「それでじゃないの?」
「一日一回歯を磨いてるけれどな」
「それでもよ」
「磨き方がいい加減ならか」
「なるわよ」
その虫歯にというのだ。
「だからね」
「なったのかね、虫歯に」
「ちょっと、見せてくれる?」
華奈子は具体的にだ、ライゾウに言った。
「そうさせてくれる?」
「ご主人それでわかるのかよ」
「虫歯だったら黒くなってるでしょ」
その歯がというのだ。
「だから見せて」
「わかったよ、じゃあな」
ライゾウも応えてだ、そのうえで。
口を大きく開いてみせた、華奈子がその口の中を見ると。
特に黒いものが見付からずにだ、こう言った。
「特にないわよ」
「歯にはかよ」
「ええ、どの歯も奇麗よ」
「右の上の方だぜ」
「そこの歯もね」
どの歯もというのだ。
「奇麗よ」
「じゃあ虫歯じゃないのかよ」
「そうじゃないの?」
「それで何で歯が痛いんだ?」
「あたしにもそこまではわからないわ」
こう返す華奈子だった。
「けれどね」
「虫歯はないんだな」
さしあたってはだった、だがこの話はここからだった。
第百八十話 完
2014・10・24
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