第百九十話 増加装甲の絡繰り
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兵の活躍に期待するわ。けど無茶だけは禁物だからね」
「はっ、殿下のご期待に添える様に致しましょう」
そう言うと、オフレッサーは彼にしては珍しい程のバッチリ決まった敬礼をテレーゼとエッシェンバッハに行い、副官を連れて司令室から退出していった。
ホーランド艦隊では要塞からの迎撃が殆ど無く要塞表面が次ぎ次ぎに穴が空き侵攻可能と判断されたために、揚陸艦の出撃を命じる。
「よし、敵の反撃はもう無いぞ、今こそ要塞を奪取するときだ!この俺ウィリム・ホーランドがイゼルローン要塞をこの俺が奪取するのだ!未来の元帥ウィリム・ホーランドがだ!」
「閣下、揚陸艦隊出撃準備完了です」
参謀長が呆れながらも坦々と自分の役割を行いホーランドに準備完了を伝える。
「おう、揚陸艦隊出撃せよ!」
「揚陸艦隊出撃せよ」
オペレーターが復唱し揚陸艦隊旗艦サン・アントニオに命令を伝達すると揚陸艦隊司令官ハーベイ少将がスクリーンに現れ敬礼しながら応対する。
『諒解した、我々がイゼルローン要塞を見事に奪取して見せよう。敵の捕虜になるような間抜けなローゼンリッター共と違う所を見せてやろう』
『期待しているぞ』
ホーランドの不敵な笑みに同じく不敵な笑みで返したハーベイは進撃を命令した。
「全艦進撃、ホーランド艦隊の空けた穴に艦を突撃させよ。我等の手でイゼルローン要塞を攻め落とすぞ!」
「「「「「「おうー!」」」」」」
艦橋内に歓声が上がる。
その歓声をバックにしたかのように千隻の揚陸艦が十万人の陸戦隊員を乗せ最大戦速でイゼルローン要塞へと接近するが、危惧していた要塞側からの攻撃は一切無く、易々と第一層付近に次ぎ次ぎに接舷すると艦首の強襲揚陸用ハッチを接触させ高熱で要塞外面を溶かしきると、艦内から次ぎ次ぎに陸戦隊員が躍り出てくるが、其処で確実有ると想定していた帝国側の迎撃すらなく拍子抜けする。
その為に僅かな時間で陸戦隊十万人が要塞第一層の一点に集結していた。
「第三師団総員一万八千名異常なし」
「第四師団総員一万八千名異常なし」
「第七師団総員一万八千名異常なし」
「第九師団総員一万八千名異常なし」
「第十一師団総員一万八千名異常なし」
「第十九特殊連隊総員三千名異常なし」
「第二三三海兵連隊総員三千名異常なし」
「第五四志願兵部隊総員三千名異常なし」
「司令部直衛大隊千名異常なし」
次ぎ次ぎに点呼された部隊は多くの者達が軽口を叩きながら早速イゼルローン要塞中心部に向け進撃を開始した。尤もその先に如何なる未来が有るのかは神のみぞ知る状態で有ったが、その先にはオフレッサー率いる装甲擲弾兵五十万人が手ぐすね引いて待ちかまえているのであるからそれほど明るい未来では無い事は推して知るべしであろう。
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