将来を見据えることに意義がある
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なら、陰湿な虐めも加速を見せ、
まともに授業を聞くことさえ叶わなくなった。
それでも予習の段階で教科書の殆どを理解した事もあり、
虐めをエスカレートさせる切っ掛けを上乗せしていった。
そんな環境に負けず、中学3年に上がって直ぐの頃だろうか。
とある女子に告白を受けたのだ。
俺は即答で断った。
何故ならばその女子の眼が嘘を示していたのだから。
しかしそこは奴らの滑降の溜まり場であり俺の毎日の処刑場でもある。
つまり、運悪く奴らが来てしまったのだ。
まぁいつもの事だと割り切り、俺がやられている内に逃げてくれと、
もしよかったら先生呼んできて欲しいな…何て期待をしていたのだが、
件の女子は何を血迷ったのか俺を庇うように前へと出たのだ。
彼女は突き飛ばされ、激情した奴らは懐からカッターナイフを取り出す。
そんな状況を見ればこの後どうなるかなど火を見るより明らかであった。
だからこそ、俺を庇ったばかりに彼女が傷つけられるのは我慢がならなかった。
俺は彼女の前へ躍り出て…降り下ろされたカッターで切りつけられた。
顔面左、耳の上辺りから頬骨、頬、顎へと一直線に作られた浅くはない切り傷。
それでも止める、強いてはやったことに罪悪を感じない奴らは、
顔を押さえて蹲る俺を蹴りつける。
正直我慢の限界だった。
だからだろうか。
俺が気を失う直後に見たのは奴らが全員倒れ付し、
そのカーストが顔面をパンパンに張らしていた光景だった。
俺は入院をしたものの、2週間ほどで退院し、学校へと通い出す。
見舞いなんて誰も来なかった。
故に俺は勉学に注ぎ込むことができ、退院後の授業に遅れをとることなく卒業を迎える。
ーーーーと、まぁこんなところだ。
そして今、俺は総武高校へと入学し、今日で1年と3週間位を迎えている。
「これはなんだ?」
目の前に鎮座し、俺に一枚の用紙をちらつかせる女教師。
名前は平塚 静…だったか。担当は現代国語。
「紙……ですかね」
「君は私をバカにしているのかね?
私は今日の授業に提出された君の作文の事を言っているんだ」
作文。
つまり冒頭の文章である。
「それならばそうであると、初めから言っていただけませんか?
仮にも現国教師ならば主語等が抜かれた質問に意味がないことくらい分かるでしょう」
「君は……まぁいい。
それで、私が授業で出した課題は何だったかな」
「高校生活を振り替えっての作文ですが何か」
「それがどうしてこんな文章になる?
君は学校に何か恨みでもあるのか」
何故端正込めた作文を否定されなくてはならないのか。
俺は教師と言う職業のあり方に疑問を抱く。
「…詰まりはあれですか。
自分の気に入らない物で
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