第3話:大きな正義
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「ですが、それは市民の監視ではありませんか。」
シンクレアはフォードのほうを見つめると、肩にふれた。
そして、まるで父親のように話しかけた。
「若者よ、君が一番よくわかってるはずだ。テロリストどもを倒すには、そして秩序を守るにはまず国民がどういう思想をしているかをみつめなくてはいけない。どういう事を考え、何をしているか。どういう思考をしているかと。」
フォードはシンクレアの目をみつめてこう言った。
「確かに、こういうやり方もあります。現実的であるとさえいってもいいでしょう。ですが、俺はこのやり方には納得も賛同もできない。国民の監視が必ずしも秩序を守ることにはならない。それが例え、ヘイトスピーチを書いていたとしても、人間であるなら監視されない権利があるはずなんです。」
シンクレアは表情を曇らせて言った。
「君ならどうやってテロリストから世界の秩序を守る?」
フォードは少し考えた。
そして、答えを出した。
「少なくとも人々の監視はしない。」
黙っていた提督が告げた。
さすがに黙っていたれなかったのだ。
「だが、これは君の父のアイデアを基にしたものだ。君の父がこのドローンを生み出したのだ。」
フォードは冷静に返した。
呼吸は落ち着いていた。
眼の色にも感情はなかった。
「父は悪人だった、だからこそ俺はこんなことには手を貸せない。もうしわけありません提督、シンクレア議員。俺はできません。」
フォードはそう告げると去ろうとした。
提督は少し残念そうに彼を見た。
「もうしわけありません、議員。彼は少し頑固なんです。」
提督に顔をみせると議員は黙って首を縦に振った。
わかっているという感じだった。
提督はフォードの後を追いかけていった。
フォードは何も言わずにエレベーターに向かって突き進んでいった。
「フォード、ちょっとかっこよかったよ!惚れ直しちゃったな!」
ヒオは冷やかすように帽子の中から言った。
ため息をするとフォードは帽子を撫でた。
「帰ろうか、ヒオ。」
フォードはエレベーターのボタンを押すと、提督が入ってくるのを待った。
エレベーター内にフォードと、提督は乗り込んだ。
フォードは少し提督にもうしわけなくおもった。
「すみません、あんなことを言って。」
「君は恐らく反対するとは思っていたよ。」
フォードは提督のほうをみつめた。
彼の気持ちが気になったからだ。
「あなたはどう思いますか?」
提督はフォードのほうを黙って見つめた。
その視線はかつての提督の姿がみえていた。
「私は、テロリストたちを監視する程度ならアリだと思うし、使い
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