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魔法少女リリカルなのは平凡な日常を望む転生者 STS編
第62話 帰る場所
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を取って下さい!!」
「せ、責任って………俺はどうすれば良いんだよ?」
「わ、私の面倒を見て下さい!!」
「はぁ!?」
あまりにも唐突な言葉にバルトは普段上げる事の無い様な高い声を上げた。
「私が満足するまであなたについて行きます!!」
「ちょっと待てって!!勝手に決められても俺だって色々と………」
「同意してくれれば、聖王を救うのに協力します。どうです?」
そう条件を問われ、断れず唸るバルト。
状況的には願ったり叶ったりだ。殆ど分からない状態のなのはとバルトだけでは今のヴィヴィオを救う手立てが無い。用済みだと捨てられたとは言え、今までずっとイクトがヴィヴィオのレリックコアの調整をしていたのだ。
(分かってる、分かってんだ………だが………)
事件解決後を想像して中々バルトは縦に頷けないでいた。
(くそっ、ラブコメは零治だけで良いのによ………)
そう思いながら深くため息を吐き、覚悟を決めた。
「………分かった、条件を飲もう。だから協力してくれ」
「分かりました。よろしくお願いします………ご主人様?」
「お前それは絶対に止めろ!!!!!」
「さあ、着いたわよ」
カフェを出てどの位時間が経ったのかよく分からなかったが、ずっと暗い何も無い空間をクレアについて行く形で進み、ある程度進んだ所で突然クレアが止まった。
「着いたって……ここは何も無いただ真っ黒なだけの空間じゃ………」
「そうね。………だけどここが有栖零治の精神世界。もう崩壊はほぼ完了して何も無いただの真っ暗で何も無い空虚な空間だけどなったの」
「それじゃあレイは………」
「言ったでしょ、もう手遅れだって」
淡々と語られず真実に次第に3人の顔にも絶望感が現れ始めた。
「嘘だ!!レイがそう簡単に………」
「ええ、実際かなり時間がかかったわ。でも身体を奪った私なら分かる。もうこの身体に有栖零治の精神は………」
「あ……ああ………」
その宣告は今まで星達を支えて来たものをへし折った。クレアの話を信じたのはこの特殊な場所にいるからこそだった。真っ暗ながら僅かに感じる零治の残滓。それがクレアが嘘をついていないと分かってしまったのだ。
「まだよ、まだ間に合う!!」
しかしそんな中エリスだけは諦めないでいた。
「僅かでも、私達に見えない様な塵でも………全部集めてみせる!!」
エリスの身体が光り、暗闇だった精神世界に光が入る。
「無駄よ………確かにある程度の塵となっていた精神が目覚め始めるかもしれないけど、それをほぼ修復できるほど人の精神は簡単じゃ無いわ。集め終える前にあなたが潰れる」
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