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魔法少女リリカルなのは平凡な日常を望む転生者 STS編
第62話 帰る場所
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時間切れだ。俺は近いうちに消え去る」
「そんな………せっかく会えたのだぞ?」
「もうお別れなの………?」

消えそうな声でウォーレンに近づきながら話す夜美とライ。

「充分さ。本来ならこうやって顔を合わすことだって叶わないはずだったんだ。それが何の奇跡か、短い間だったけどこうやって会えた事に俺は満足してる………」
「私達はもっとお話ししたかったです………」

星は涙を浮かべながらそう呟く。

「………嬉しい限りだな。だが今やるべきことを間違えるな、お前達がやらなくちゃいけないのは零治のアホを起こすことだ」
「だが………」
「俺だけじゃなく零治まで失うつもりか?俺が消えるのはもう決定事項だ。だが零治はまだ間に合うだろ?」

そんなウォーレンの言葉に3人とも意を決したのか、浮かべていた涙を拭い、戦闘の時の顔になった。

「それで良い。頼むぞ3人共、あの手のかかる相棒………いや、息子を救い出してやってくれ!!」
「はい!!」
「任された!!」
「だから安心して『お父さん』!!」

ライにそう言われ、口をポカンと開け、呆気にとられるウォーレン。
そして大きく笑い出した。

「はははは!!全くライは本当に素直だな!!」

まだ消えていない左手でライの頭を撫でるウォーレン。

「ありがとう、お前達と会えて本当に良かった。最後に……クレア!!」
「………何?」
「零治の身体で好き勝手やってくれたな」
「………」
「だがお前のおかげでこうやって娘達に会うことが出来た、感謝してる………本当にありがとう………」
「えっ………!?」

罵声を浴びせられると思っていたクレアはウォーレンの感謝の言葉に心から驚いた。

「じゃあ急げ、零治もおそらく時間が無い、頼んだぞみんな!!」
「はい、行って来ますお父さん!」
「我等が必ず連れて帰る、だから安心してくれ父よ」
「僕達に不可能は無い!!」

「………ああ、分かってる」

そう返事を返したウォーレンの言葉を聞いて、皆前を向く。

「………行きましょう!!」

そしてエリスの言葉で皆外へ出て行った。















「……………行っちまったか」

もう下半身が消えてしまっている中、ウォーレンは皆が出て行った方を見て呟いた。

「お父さんか……嬉しかったな………」

先程のことを思い出しながら1人呟く。

「……ああ。………分かってることだし、覚悟してたことだけど………やっぱり消えたく無いなぁ………」

消えそうなほど弱々しい声で呟くウォーレン。その頬には涙が流れていた。

「じゃあな………幸運を祈る」

ウォーレンは誰もいないカフェの中でそう呟き、静かに消えていった……
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