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魔法少女リリカルなのは平凡な日常を望む転生者 STS編
第62話 帰る場所
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左腕から連射される魔力弾を避けるクレイン。

(まさかロングレンジで対応してくるとはね………)

零治と似た様な抜刀術で挑んでくると思った桐谷は敢えてクロスレンジに持ち込まず、ロングレンジでの戦闘方法で戦っていた。しかしアルトアイゼンの唯一のロングレンジで攻撃できる武器は左腕のマシンキャノンのみ。当然ロングレンジを得意とする魔導師にとっては勝負にならないが、今戦っているクレイン、いや、零治のフォームに対しては有効だった。

(これ位の弾幕、簡単にかいくぐれるが………)

それでもクレインは一歩を踏み出せないでいた。その原因がアルトアイゼンのクレイモアにあった。

(無理に突っ込んでも必ず射程距離内に入ってもあの両肩の砲撃に………)

零治のこの戦闘スタイルにはロングレンジの技が少ない。ある技は殆ど強力なものであり、その分技を繰り出すまで時間がかかる。しかしそれは僅かな時間である。だが桐谷はそこを見逃さない。

「零治の奴とは何度も実戦に近い状態で戦ったことがある。零治と殆ど同じならこれほどやり易い相手はいない!!」

そう宣言するが、特に何かをするわけでもなく先ほどと同じ様に隙を与えぬよう射撃を続ける。

「面倒な………」

零治の場合、転移など同じ戦法をされても対応出来る方法は幾つかある。実際に同じ状況でも一気に形勢を逆転する事は良くあった。
クレインの場合は圧倒的に戦闘スキルが足らず、どう状況を打破するか、決めかねていた。

「これで戦うと言った以上変えるのは気が進まないが………仕方がないか………」

そう呟くとクレインは魔力弾を発射している桐谷の方へと突っ込んでいった。

「勝負に来たか!!………だが!!」

桐谷のクレイモアの射程圏内に入った所で攻撃方法を変更。直ぐに発射しようとした時だった。

「なっ!?」

肩のスラスター目掛けて投げられた刀と鞘が発射する前に突き刺さった。

「しまっ!?うおっ!!」

発射を止められずスラスターの中で爆発するクレイモア。その衝撃は凄まじく、何とか体勢をキープしたものの、その勢いに身体は膠着してしまった。

「もらった!!」

それを好機と見たクレインが大吾の大剣に似た魔力刃を展開し、桐谷に斬りかかった。

「ぐうっ!?」
「何と硬い装甲だ!!魔力でさらに補強でもされているのか?………!?」
「貫く!!」

大剣で斬られ、装甲に痛々しく斬り口が残っている中、関係無いと言わんばかりにステークでクレインを突き刺そうとした。

「くっ!!」

とっさに大剣を盾にした事でガード出来たクレイン。しかしステークはそれすらも貫く。

「何!?」
「貰った!!」

予想だにしない事態に驚いている中、桐谷はそのまま貫かん
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