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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
A's編
第九十二話 家族の形
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士郎のデバイスの適性検査も終わり、細かいデータのまとめはマリーに任せて、士郎とリンディ、プレシアは転送装置で海鳴のハラオウン家に戻ってきた。
時間は夕飯の支度を始めるぐらいのちょうど良い頃合。
だが
「今日はこのまま失礼するよ。
デバイスの件は引き続き頼む」
「ええ、試作品が出来たら持って行くわね」
「リンディさんもありがとうございます」
「気にしないで、士郎君が納得できるモノが出来ればうれしいから。
今日はお疲れ様でした」
普段の士郎ならハラオウン家でこのまま食事の準備を誰かと共に行い、夕食を共にするのがいつものパターンだが、本日は珍しくそのまま玄関へと向かう。
その途中でリンディとプレシアを待っていたフェイトの横を通り過ぎる時
「少しわがままになって良い、思いをぶつけてみろ」
フェイトの耳元で一言アドバイスを伝える。
士郎の言葉に一瞬目を丸くするフェイトだが、しっかり頷いて士郎を見送った。
マンションを後にした士郎は振り返り、ハラオウン家の部屋に視線を向ける。
言いたいことや思いを我慢してしまうのではとフェイトの事が一瞬心配になるが
「……フェイトなら大丈夫か」
ジュエルシードの時、闇の書の時、前に進んで見せたフェイトなら要らぬ心配かとわずかに肩を竦めて、歩き出す。
そして、歩きながら携帯電話を取り出し、ある番号に電話をかける。
「今大丈夫か?
ああ、さっき戻ってきた。
今一緒にいるのは……それなら話が早い。
今夜、話したいことがある。
そうだ、三人だけでだ。
ああ、問題ないなら今からでも良いぞ。
勿論、夕食は用意させてもらうさ。
食材を買ってからだから一時間後に
ああ、また後で」
恐らく今日はプレシアも帰ってこないだろうからちょうど良いタイミングだと、電話の相手と言葉を交わし、携帯をポケットにしまう。
「さて、お客様を満足させる為に食材を仕入れに行きますか」
冷蔵庫にあったものを考えながら商店街の方に士郎は足を向けた。
ハラオウン家にリビングではお茶が並べられ、フェイト、アルフ、プレシア、リンディ、クロノ、エイミィがテーブルを囲んでいた。
いつもなら穏やかな場なのだが、今日はわずかに空気が重い。
「クロノ、エイミィ。
本日付でフェイトとプレシアが共に暮らすことに対する児童保護局の通達は棄却されたわ。
これで当初思い描いていた形になったわ」
リンディが発した言葉にクロノはようやくかと息を吐き、エイミィはやったとガッツポーズをする。
「それでフェイトのハラオウン家の養子の件になるのだけど」
プレシアの言葉に空気が重たい理由
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