神を信ずることは、感情の問題である
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たら、ロック・リーみたいに体術で頑張れたかな
なんで俺、こんな体に生まれてきたんだろう
才能があれば
もっと丈夫な体なら
・・・そもそも、転生なんて、なければ
こんなことには、ならなかった
妬ましい、とはこの事だろうか
憎い、とはこの事だろうか
なんで俺をこんな風に転生させたんだろう神様は
見たこともない、居るのかもわからない神をただただ信じて
なかば八つ当たりのようにその存在にケチつけて
頭を抱えてしまったりして
「・・・ううっ・・・」
抑えきれない嗚咽が零れる
なんでもないのに、こうなったことは仕方がないのに
布団にくるまり口元を押さえる
泣けば全部すっきりする
いやな気持ちは全部涙が溶かしてくれる
そう信じて、泣き続けた
暗く、黒い涙が落ちてくる
この狭いとも、広いとも言える牢獄に溢れだしている
どうしようもない恨みと妬み、そしてほんのわずかの怒りが溢れている
あの小さな宿主が泣いているのだろう
正気を取り戻して泣いている
「・・・哀れな仔・・・」
先代の宿主は、かように脆弱なものだっただろうかと溢し、
尻尾で涙の洪水を一掬い
鈍い音を立てて、毛どころか身をもを焦がした
大いなる獣よと、大妖怪よと讃えられた、この我の身を焼き尽くす涙
凝縮された恨み
我以上の恨み
「本当に・・・哀れな・・・」
せめて最後まで、天寿を全うするまでは守ろう
それが狂わせてしまったことに対する、せめてもの償いのはずだから
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