九校戦編〈上〉
懇親会というパーティー
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こっそりと呟いき合っていた。先輩の情報を傾け、戦力分析に勤しんでいるとあれば、尚武の校風を掲げる第三高校。上級生も感涙にむせたかもしれんが、深雪に向かい視線を向けていた。
「見ろよ一条、あの子、超カワイクねぇ?」
「超って、お前・・・・何時の時代の高校生だ」
「うるせーな。おめーには聞いてねーよ。なっ、なっ、一条、どう思う?」
「何サカってるんだよ・・・・無駄無駄。あんな美少女、高嶺の花もいいトコだろ。お前じゃ相手にされないって」
「つくづくるせーな。俺じゃダメでも、一条ならイケるかもしれねーじゃんか。なんせ一条は顔良し腕良し、その上十師族の跡取りなんだからよ。そしたら俺にもお近づきになるチャンスくらい巡ってくるだろ」
「なに威張って情けない事言ってんだよ・・・・・」
実態は、このような会話が交わされていたのであった。まあ実に高校生らしいと言えない事もないが、陰口で叩くバカ野郎には失礼な者もいるんだな。それに聞こえているからお前らを消しても構わないが、それだけはやめておこう。
「将輝、どうしたんだい?」
ただ、その輪の中心にいた男子生徒は、盛り上げる仲間に応えも返さず、じっと話題の子である深雪を見詰めていた。甘いマスク、というより凛々しい顔立ち。若武者風の美男子、という古風な形容が違和感なく当てはまる容貌だ。180はある身長に広い肩幅を引き締まった腰、長い脚・・・・第三高校一年生、一条将輝は確かにチームメイトの言う通り、女性が好みそうな外見をしていた。
「・・・・将輝?」
「・・・・ジョージ、お前、あの子の事、知っているか?」
ジョージというのはあだ名、外見は完全なモンゴロイドで本名も純和風な吉祥寺真紅郎というその生徒は、将輝の質問に考える素振りと見せずに即答した。
「え?ああ、制服で分かると思うけど、一高の一年生だよ。名前は織斑深雪。出場科目はアイス・ピラーズ・ブレイクとミラージ・バットで、一高のエースらしい」
「げっ、才色兼備って奴?」
大袈裟に抑け反るチームメイトを尻目に、一条将輝はポツリと呟きを漏らした。
「織斑深雪、か・・・・・」
その声に、ジョージと呼ばれた男子生徒が意外感と好奇心のブレンドされた視線を向けた。
「珍しいね?将輝が女の子に興味を示すなんて」
「そう言や、そうだよな」
「一条の場合は、女の子から寄ってくるからな。ガツガツする必要何て無いんだろ」
「贅沢なんだよ、コイツは」
段々「モテナイ男の八つ当たり」の様相を呈して来たが、将輝は黙り込んだまま応えない。ただ、露骨にならないように、時々視線を外しながら深雪を見詰めていただけだったが、その視線は熱が込められてからクラスメイトが叩かれる姿を見た。いつの間にい
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