平穏無き世界ようこそ
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た話の軌道を戻した。
『んで趣味趣向種のエレメリアン共がとある世界を侵略に来た際ニ、俺もそれを追って盗み得た技術を使ってワープシ、先遣隊を喰らいに喰らってその機器を手に入レ、そいつを取り込もうとシタ』
「……お前が今ここにいるって事は……」
『又も御明察ダ! マア、取り込むこと自体には成功したんだガナ、余りに大きな力を内包していたからかそれとも機器に辿り着く前に喰い過ぎタカ、体が吹っ飛んでマジモノの精神体になっちまッタ。しカシ、俺はただ力だけ求めて自爆する馬鹿とは違ウ。ちゃんと緊急措置は用意していたノヨ……“異世界にわたり生物に寄生する”って緊急措置ヲナ』
「……異世界にわたった理由は?」
『まだ力が戻ってねぇのにしつこく狙われたか無かっタシ、何より属性力を奪われつくした世界にずっと居てたまるカヨ』
「……」
つまり、彼が趣味趣向種のエレメリアンと戦った世界は……そこまで考えて、瀧馬は眉をしかめた。それを知ってか知らずか彼の中にいる単純感情種のエレメリアンは、少しだけ間をあけてから話を再開する。
『そんで何とかワープして憑依出来た俺ダガ、ここでまたまた問題が起キタ……憑依先が捨てられた元飼い犬だったノサ。俺の言わんとする事なんざ当然分からねェシ、寄生した影響で得た力と僅かな知能を出鱈目に使かッテ、暴れに暴れまくりやがッタ……これは人里での事じゃねぇから知らないのも無理ないけドナ』
何故そんな犬を世間は知らなかったのかと言う質問を見越してか、単純感情種のエレメリアンは最後に付け加える。
『単に殺シテ、肉ばっか食っても精神エネルギーは供給されねぇカラ、俺は徐々に静寂していって犬もそれにつられるように段々暴走してイキ、もう駄目だと思った矢先ダ。偶然犬が跳び込んだ家ニ、精神の波長までぴったり合うお前と言う人間が居たノサ。
そして死に掛けのお前に寄生シ、波調がぴったり合ったおかげか僅かな間だが動く体を利用シテ、犬っころが死ぬ前に感情を喰らい尽くして何とか事無きを得たって訳ダ。
お前さんは目を覚ましたし制限時間は過ぎたシデ、もう話すしかできないんだけドナ』
彼の言う事を信じるなら……いや、家がボロボロで特に負傷度の激しかった左半身と右膝下に違和感があるという事実がある辺り、瀧馬は本当に死ぬ一歩手前だったのだろう。
幾つかの偶然が重ならなければ訳も分からず死んでいた事実を知り、瀧馬は今更ながら顔を出した恐怖で震える。
そして、今までの彼の話を聞いて、自分が今どんな状態かを整理し……口を開いた。
「つまりだ……俺はこれから飯を食うだけじゃなく、属性力を手に入れるか、エレメリアンてのを喰わないと―――いずれ死ぬ……のか?」
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