平穏無き世界ようこそ
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属性力が収集され結晶化し、他のどの生物とも違う独自の生態を持った、属性力そのものとも言える生命体が現れた。
属性力技術の負の産物、それが彼等 “エレメリアン” であったのだ。
動植物が他の動物や地中の養分を自身の糧としているように、精神生物である彼等は他の生物の属性力を糧として生きる生物。……彼等は精神力とも言える属性力を、その世界では支障が無いくらいに吸い取るだけだったソレを、根こそぎ喰らい尽くしていった。
心の力を奪われた人間は、その属性対象に興味を持てなくなるばかりか、たとえ強い意志で興味は残しても属性が存在しない為手を付ける事が出来なくなり……全て奪われれば何事にも情熱が注げない、空虚な生物となり果ててしまうと言う。
更に、最初は本能のままに食い続けた彼等もいつしか人間と同等以上の知能を持つようになり、遂には徒党を組んで巨大な組織を作り出して、生まれ居出た世界だけでは飽き足らず、他の世界へも進出し、次々と属性力を奪っていっては冷たく荒んだ世界を生み出して行った。
現存する発電機器が生み出すエネルギーを超越した、莫大なエネルギーの源である属性力の固形体は、兵器へと転用できれば絶大な威力を叩き出す。
それゆえに……その塊であるエレメリアンも強大であり、また精神生命体である彼らには属性力を利用した武器、もしくは精神に干渉できる力がなければ歯が立たず、抵抗しようとした世界も一つまた一つと、その有様を変えていってしまった。
そして次に狙いを定めたのが……瀧馬達の居る世界であり、テイルレッドが戦っているのはそういった、精神体の化け物たちなのである。
その化け物たちの組織の名を―――アルティメギル、と言う。
『―――とまあ、長くなっちまっタガ、要するに俺らは現存の兵器じゃ殺せナイ、未知の生物だって事ダ』
「……そう、か」
『じゃ、ここからが本題ダナ』
そう、今までのは話が長いだけで本題では無い。
当たり前だ……今ここで明かすべきは、何故そのエレメリアンが瀧馬に寄生し、融合してしまっているのか、であるのだから。
『最初にエレメリアンは属性力テクノロジーの負の産物って言っタガ……実ハナ、エレメリアンには二種類いるんダヨ』
「二種類?」
『一つ目ハ、趣味趣向がより強く固まった奴ラダ。アルティメギルの構成員は全員これダナ。何でも家族愛だのといった精神の力は誰でも抱くから案外ランクが低いらしく固まりにくいらしくテナ、そういった基礎よりも趣味趣向……例えばゲーム、漫画、細かく言っちまうなら好み髪型にかける情熱とカガ、より強い力を出せるらしイゼ』
「ちょっとまてよ……つーことはそれが凝り固まった奴等は……」
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