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寄生捕喰者とツインテール
平穏無き世界ようこそ
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い事を口走ってきた。



『お前の中だッテ』

「……は?」

『聞こえなかっタカ? お前の中に俺はいるんダヨ……正しく言い表すなら“寄生して融合している”てのが近いけどナァ』



 この一日で一体どれだけの理不尽が、理解の範疇を超えた出来事が襲ってきているのか。瀧馬は自分が何をしたのだと、相手の言葉の意味を考える事を放棄し、ただただ世の中を呪っていた。



「寄生……? 何なんだ、何なんだよお前は!!」

『エレメリアン、そう呼ぶ奴等も居るナァ。ま、俺の場合は一般的なそいつ等と違うんだガヨ』



 聞いた事もない種族の名称ではあったが、それが何処か“エイリアン”に似た響きを―――いや、一文字変えて一文字付け加えたその言葉を聞いて、瀧馬はゆっくりと呟く。

 自分でも、いやに落ち着いている事を不思議に思いながらも。



「つまり……お前は、異星人、なのか?」

『んにゃ、“異世界人” だ。 俗にいう別世界からやってキタ、別世界の住人ダゼ?』

「異世界……」



 一部の漫画やアニメで瀧馬はその設定を見ていた。

 曰く並行世界、曰く本当に全く別の世界、曰く世界とは名ばかりで惑星間、しかしそのどれもに共通するのは、地球の文明より優れていたり、魔法などの科学で解析不可能な力があったりする事だ。


 笑い飛ばそうにも、目の前に移る光景とハッキリと聞こえる声は、否定させる要素を尽く砕いてくる。



 そこから謎の声は、エレメリアンについて解説し始めた。



 此処とはまた別の世界。そこでは高度に発展したテクノロジーを支える為に、膨大なエネルギーが必要となった。

 しかしながら、いくら強大な力を溜めている物質であろうとも、使用し続ければいずれ限界が来て、それでもと使い続ければやがて枯渇してしまう。

 どうにかして大量のエネルギーを効率よく生み出せないものか? ……その考えがいきついた先が、人の心、精神の力……好みや趣向、身体的特徴に果ては職業に対する情熱までをもエネルギーへと転用する技術であった。

 それら精神の力は、属性力(エレメーラ)と呼ばれ、概念や事象よりも不確かな存在だからこそ、固形化できた時より多くのエネルギーを生み出す事が出来たのだ。しかも、それは一人一つでは無くいくつも存在する為、少しずつ様々なものを抽出していけば、人に被害の及ばぬ範囲でより発展させていく事も可能となっていた。


 そしてその文明はエネルギー確保の成功により目覚ましく発展を遂げ、この地球の存在する世界よりも一歩も二歩も先を行く優れた機器により、輝かしい未来を手に入れた……筈だった。


 その世界の人類に属性力がある程度浸透してきた最中、
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