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寄生捕喰者とツインテール
日常の終わり
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た。

 達成感から自然と笑顔になり、落ち着かせる様に深呼吸をして家のドアを開けた。

 余りにも静かな家の中だが、それが今の瀧馬にとっては天国にも等しい安らぎを与えている。


 鞄を置き制服から私服へ着替え、棚の中にあったチョコレートコーティングのビスケットを取り出して、大きめのコップにコーヒー牛乳を注ぎ、MDプレイヤーで彼の好きな洋楽のヘビメタを聞きながら、菓子を齧り牛乳を飲む。



「……ふぅ」



 落ち着いたと深く息を吐いて、暫く食べては飲む食べては飲むを繰り返す。食べ終えた後は深くソファーに腰掛けて、その落ち着いた雰囲気とは裏腹に激しく掻き鳴らされるギターをバックに叫ぶ、ヘビメタを流し続ける。


 頭に上った血が段々と下がり、冷静にればなるほど、瀧馬は彼らの行動理念がまるでわからなくなってくる。

 再度言うが彼等は入学式直後での観束の失言の際、何も言わず沈黙を保ち関わる事を避けていたのだ。なのに、彼が犯した大失態以上の愚行を晒してしまうとは本当に何を考えているのか。


 それ自体が悪い事かと言えばそうでは無く、人前で声高に公言しなけらば趣味の一つとして受け流す事も出来た。が、今回は趣味どころか大イベント級。頭が痛くならない方が不思議なのだ。


 そもそも何故にメディアはテイルレッドの事ばかり報道するのか。一番に危惧すべきは異質な生物たる怪人と言う、生体も特徴も分からない未知の生命体の方であり、間違ってもどこぞのヒーロー番組の宣伝が如くテイルレッドばかり流す理由がない。

 辛気臭いニュースなぞ流しても面白くないなどと言うのはそもそもの理由にもならないうえに、物事の光だけ見ていたく闇などは見たくはないと言っているにも等しく、余りにも愚かである。

 優先すべきは人命に対しての危惧、生活の安全保障、そして確固とした対策の発表であり、間違ってもヒロインを愛でたりヒーローを応援したりすることではない筈。
 勿論、一日二日なのだから対策も保証もないかもしれない、しかし余りにも蜥蜴人間に対して興味をもたな過ぎ、無頓着すぎるのだ。



(……誰かが意図的にそうなる様にしているのか……? まさかな……)



 考え始める瀧馬だったが、そもそも自分一人が動いてもどうもならない事を思い出し、大人しくソファーに寝っ転がった。

 今晩の飯はどうするかと考え、一先ず寝た後で考えれば良いかとMDプレイヤーの電源を切って、端っこに置いてあったクッションを引っ張り本格的に寝るべく頭の下に引いて横になった。










 刹那。







『グオオォォオオオオオン!!!』

「!? なんだ!?」




 脈絡もなく
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