日常の終わり
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室はおろか体育館でもここまで異常に盛り上がるのは果たしてどうだろうか。 しかも白昼堂々変態だと公言している輩が大部分を占めている……『大部分を占めている』。
というか、最終的にこのような醜態をさらすのならば最初からブレーキ無しのアクセル全開でふっきれていてほしあったモノで……いや、やっぱり最後まで隠して貰っていた方がいい。
ずきずきと頭が痛むのを瀧馬は確かに感じ、同時に観束の認識をただツインテールが好きなだけで他は常識人に切り替えようと、この時強く思ったと言う。
「では……彼女の勇猛なる姿、美麗なる容姿を今一度ご覧あれ!」
何時の間にか用意されていたスクリーンに、朝っぱらから散々見てきたテイルレッドの映像や画像が次々と映し出されて行く。
どんどん高まって行く周りの高揚感とは逆に、瀧馬はどんどん沈んでいっている。中学の時も変態的人物はちらほら見受けられた事は覚えているのだが、よもや此処まで蔓延しているとは知りもしなかったのだから。
止めとばかりに、生徒会長は声高に叫んだ。
「神堂家はこれより、彼女を全面的にバックアップ、サポートすることを決めましたわ! 皆さんも私と共に、この救世主を支援し応援して行きましょう!」
「「「「「「テイルレッド! テイルレッド!!」」」」」
(……末期を通り越して地獄か、ここは?)
今すぐにでも体育館から出たい瀧馬は、小回りも利かず隙間も抜けれらない自分の身長の高さと体格のよさを、この時すこぶる恨んだ。
……そして覆いに呆れたその様子を見て、観束は地獄に仏と大層嬉しそうにしていたという。
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寝ても覚めてもテイルレッドテイルレッド、しかも教師までそれと来てもうやってられなくなったか、瀧馬は許可も取らず正午で学園を早退してしまった。原因が原因とはいえ、中々に豪胆な人物である。
「テイルレッドウィルスにでも取り付かれましたか〜ってんだ……頭割れるっての」
ブツブツ文句を言いながら、道すがら菓子を買う為スーパーや、ゲームソフトを買う為ゲームショップへとよるが、そこに設置されているテレビに映るのはやはりテイルレッド。道行く人が口にする話題もテイルレッド、しまいにはムカつくほど上手いテイルレッドが書かれたポスターまで張ってある始末。
(……もう帰って寝る、じゃねぇとキレそうだ)
周りの人、家屋、商店、他の何にも目はくれず、半ば走るように家へと向かう。景色は下を向けばそれなりに緩和されるものの、耳から入ってくる音はどうしようもなく、ボルテージを確実に上昇させて行きながら、瀧馬はようやく自分の家へとたどり着い
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