日常の終わり
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馬からみてもテイルレッドは可愛い部類に入った。だからといって信仰心にも近い感情など抱いてはいないし、周りの者達の様な欲望もわき上がってはいないが、それがツインテール大好き人間である、観束まで反応しないと言うのは如何もおかしい。
もしやこいつ、ツインテールだけ存在していれば他の部分は如何でもいいのだろうか……そんな事を瀧馬は考えた。
最悪、どこぞの殺人鬼の如くツインテールだけもぎ取って逃げていくと言う、正直微妙な犯罪を犯しそうだとも考え、瀧馬は朝から数えて三度目の溜息を吐く。
やがてなったチャイムを合図に皆廊下にならび、未だに話題について交わしながら体育館へ向けて歩いて行く。
昨日は見る余裕がなかった二年や三年の顔も眼に入ったが、彼等の中には欠伸をしていたり手悪さをしたりする人物が皆無と言っても良かった。
そして一年もまた、アレだけ騒いでいたのが嘘のように静まり返ってただ佇む。
事前の状況を知っているだけに何とも奇妙に感じる静寂が支配し、先程までの会話の内容とはほど遠い厳粛と言う言葉さえ思い浮かべてしまう。
そんな空気に付き合う気は無いのか、悪びれも無く瀧馬は欠伸を一発かました。小刻みに足元でタップを踏んでいるので、早く終わって欲しいのが丸分かりだ。
そんな彼を見て、何故か観束はホッとしたように胸に手を当て溜息を吐いた……何故、ホッとしているのかは疑問である。
タップの音が無骨に響く体育館に、もう一つの足音が加わる。生徒会長が壇の前へと歩を進めたのだ。
ゆっくりと生徒達を見回してから、生徒会長は口を開く。
「皆さんも知っているとは思いますが……昨日、この街は観た事も聞いた事も無い、それこそ未知の怪人に襲われました」
確かに大した情報も出回っていないし、初っ端からオマケ扱いとなっている怪人なんざ、それこそ色んな意味で未知ともなる。
結局の所、一般人には彼等が何をしたかったのか、どのような生物なのかすらわからないのだから。
「そして……わたくしも、実はその場に居合わせ、被害を受けた一人なのです」
(……なるほど、会長が……)
生徒が被害にあったという予想は見事当たっていたと言う訳だ。しかもそれが会長となればこの様な会を開くのも当たり前と言える。
「「「「「なんだってぇええぇぇええぇええ!!?」」」」」
「許せねぇ! いや許せる筈がねぇ!!」
「当たり前だろうが! 少しでもこの気持ちが分からない奴が居たら、そいつは人間じゃねぇよ!」
「誰か武器を! 武器を持たせろ!!」
「蹴散らしてやる……塵も残さず消し飛ばしてやるぁ(巻き舌)!!」
「戦じゃ!皆槍を持てぃ!!!」
「ダイナマイトだ!
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