日常の終わり
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とにかく、いくら考えようが力も無い自分が出張って行った所で何も出来ずにくびり殺されるのが落ちだと分かっている瀧馬は、それ以上は考えずにさっさと荷物を整えて玄関を出て、授業をサボろうかサボるまいかと考え始めた。
行ってきます、すら言わなかった状況を見るに、彼は一人暮らしをしているらしい。しかし、家はマンションなどでは無く結構立派な造りのモノ。周りに家が殆ど無い事を除いても、中々の大きさだ。
何故なのか? ……と言うのも、彼の親は重度の遺跡マニアであり、息子を放って置いてしばしば二人で海外へ飛び立ってしまうのだ。不動産や土地経営している為に食うには困っていないのが唯一の救いだろうか。
暫く戻っていない両親の姿を頭に浮かべ、瀧馬は軽く鼻から息を吐いて眼を半開きにしたまま首を一度回した。
呆れているのか、それとも心配しているのか、微妙な所だ。
校門をくぐり教室のドアを開け、担任が来ていざホームルームだ……かと思いきや、樽井担任は一時間目が中止になり全校生徒を集めて体育館に集めるよう言われている旨を伝えて、さっさと教室を出て行ってしまう。
恐らくは昨日の事件の事で話があるのだろう。もしかすると、生徒の中に巻き込まれた人物が居たのかもしれない。
だが、どうも真面目な内容になりそうにはないと、瀧馬は予感していた。何故ならば―――
「昨日の見たよな!」
「勿論! テイルレッドちゃんだろ!」
「本当に可愛かったようなぁ〜……妹にしたいぐらいだぜ!」
「何言ってんだ……妹にすんのは俺だ!」
「ほざきなさい! 私の妹になってもらってお風呂で―――」
こんな会話がそこかしこで行われているからである。
しかも、これは瀧馬の耳に入ってきている中で、まだマシな方に分類されるモノなのだ。最後の女子生徒が何やら言おうとしていたが、きっとただ風呂に入って一緒に暖まろうと言う考えなのだ。……決して、それなりに整った容姿を台無しにする涎を垂らすような、非合法的な何かを想像している筈では無いと信じたい。
よくもまあ蜥蜴怪人の事を見事にすっぽぬかしてヒロインにうつつを抜かせるなと、瀧馬は逆に感心してきている。
……と、この場面で一番騒ぎそうな生徒が騒いでいないのに気が付き、隣にいるその人物へと声を掛けた。
「オイ、観束」
「うおっ!? な、なんだ?」
「……お前は騒がないのか? 昨日、アレだけツインテール好きだという事を公言していたのに」
「い、いやぁ……そのな? アレだけ異常に騒いでいるのを見るとさ、ツインテールが好きなだけの俺はちょっと引くというか、えっと何と言うか……」
「……」
周りの反応は兎も角、瀧
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