第五十三話 信念
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デモニウムの言葉に思わず息を飲んだ。
“正義”を司る者として、尤も向き合うことが苦しい矛盾であった。
パンデモニウム「それって、君達も僕達も同じじゃないのかい?」
どれだけのハンターがその矛盾に苦しんだのだろう。
エックスやゼロも自分もそうだった。
目を伏せた彼女に悟ったような声が耳に響く。
パンデモニウム「分かってる。それがこの世界の欺瞞なんだよ。だからこそこの世界は滅びなきゃならないんだ」
背中の砲から爆弾が発射された。
爆弾は一定時間後、頭上に降り注ぎ、爆発した。
爆炎が長い間滞空する。
容易ならぬ相手だとルインは悟る。
パンデモニウム「白黒つけるよ!!」
覚悟の台詞を放ち、ルインに腕を伸ばす。
捕まったら絞め殺されるのは確実だ。
ダッシュで距離を取り、チャージショットを喰らわせる。
パンデモニウム「ぐうっ…」
ルイン「まだまだ!!」
通常弾を連射し、少しずつダメージを与えていく。
パンデモニウム「まだ、終わらないよ…」
バンブースピア。
竹林が敵を覆い隠す。
頑丈な竹はチャージショットでも破壊出来ない。
ならば…。
ルイン「メルトクリーパー!!」
破壊出来ないなら、燃やしてしまえばいい。
炎により、竹が凄い勢いで燃えていく。
ルイン「あなたも炎が弱点じゃない?」
見れば、パンデモニウムが炎に包まれている。
巨体が燃え盛る様は、予想以上に圧巻だった。
パンデモニウム「そうだね…。炎は苦手なんだ」
苦笑したらしいが、炎を纏っての笑みは壮絶以外の何物でもなく、低い声が不気味さを引き立たせた。
パンデモニウム「決着をつけよう…」
突如、パンデモニウムが光を放った。
葉断突。
パンデモニウムの渾身の力を込めた一撃である。
衝撃波が渦を巻いて爪を包んでいる。
光が舞う瞬間、突風が吹いた。
ルイン「くっ…!!」
葉断突の波動に巻き込まれぬように射程範囲外に逃げようとする。
しかし輝く爪がルインの視界を席巻する。
凄まじい轟音が響き渡る。
光が収まると、そこにはルインの姿がない。
パンデモニウム「これで…」
ルイン「終わらない!!」
パンデモニウム「!!?」
真上から聞こえてきた声に反応し、上を見上げると燃え盛るセイバーを下に突き出しながら落下しているルイン。
ルイン「焔降刃!!」
燃え盛るセイバーがパンデモニウムに致命傷を与える。
炎がパンデモニウムの内部機関さえも破壊して。
パンデモニウム「…僕の負けか……」
数秒後、パンデモニウムが音を立てて崩れ落ちた。
ルイン「油断大敵だったね」
ゆっくりとパンデモニウムに歩み寄る。
敵はとても穏や
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