大食いと憤怒と渇望
頭痛の種
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観束《みつか》君でしたか〜……でも――――」
クイッと首を傾げながら、樽井担任は観束と呼ばれた少年のプリントに書かれし、そのトンデモな内容を暴露した。
「ツインテール……ツインテール部? そんな部はこの学校には〜……あ、部活新設希望なんですね〜?」
「えっ! え、あ、ちょ、ち、違う! 違くて! 部活がどうとかじゃなくてですね!」
手をせわしなく動かしテンパっている様子を見るに、どうやら無意識のうちにツインテールと書いていた模様。確かに生徒会長はツインテールだったし、もしかすると彼はツインテール好きなのかもしれないのだが、無意識レベルでそれが出てくるとなれば最早それは狂気のレベルだ。
だが一応それなりの良識はあるのか、観束は何とか弁解しようとする。
「観束君は〜、ツインテールが好きなんですね〜」
「はい、大好きです」
しかし、担任の言葉に対しての脊髄反射もビックリな超反応でそんな言葉を返したモノだから、弁解などしても取り繕いきれない部分までさらに踏み込んでしまった。隣では瀧馬が観束の返答から間を置かず、どこぞのコントよろしく頬杖が外れてガツンと頭を机にぶつけている。
奇妙にも程がある状況だが、何故か周りの生徒は反応しない。……尤も、入学式の際に殆どの生徒は醜態をさらしており、今更レベルの高い変態が出てこようが、瀧馬にとっては彼等がノーマルに見えてくる事は今後一切ない。
「そっか〜、じゃあツインテール部の件、検討しておきますね〜」
「待って! 待って先生俺は!」
「じゃあみなさんHRはこのへんで終わりとしま〜す。そ〜そ〜、この近辺で変質者が増えているそうですから、皆さん帰宅の際は充分に気を付けてくださいね〜」
今ここに明確なのが一人いるがな、と瀧馬は隣でまだ慌てている観束へ視線を向ける。勿論、問題はツインテール好きの部分では無い事など、皆さんもよくお分かりの筈。
「このタイミングで言わないでっていうか待ってくれよ! 俺は本気でツインテールが好きなだけで……あぁっ!?」
追加で自爆。
現時点を持って、このクラスに変態と呼んでも差し支えない人物が一人いる事が、それを自ら暴露したバカが隣にいる事が明確になり、瀧馬は付いて行けんと顔に手をやり頭を振った。
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『ゼェ……ぜェ……クソガァ……もう動かねぇカヨ……あと少し、少しデ……俺ハ辿りつけるってのにヨォ……こんな犬ころじャア……ゼェ……ダメになっちまウ……いや、死んでたまるカヨ……! 俺は変態共とは違ぇンダ……執念深く生き延びて―――――根こそぎ喰らってやルゼ……ゼェ、ゼェ……クハハハ…
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