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バカとテストと白銀(ぎん)の姫君
第一部 最終話 彼と彼女の事情
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てきているのがうざったいけれども、そんなことは露と見せない。
挙手している面々から目をそらして、思わず僕に手を合わせてくる友香さん、その友香さんを微笑ましそうに見ている北原さん。
「はぁ、分かった。今回は派手に活躍してFにCの力を見せつけることを全体の作戦にするね。みんなは手分けして部隊を整えて。近接AはEクラスを渡り廊下側から包囲、近接Bは一階の制圧、支援攻撃(C)部隊はAの援護、防衛(D)部隊はFの守備をしなさい。それぞれのA,C,Dの指揮官はこれらを守ること、Bは私が直々に取るから文句は言わないで。以上に質問は?」
「「御意!」」
「「私たちQSの意地にかけまして!」」
「それじゃ、即時解散!」
あわただしく周りの生徒たちに声を掛け、(かけられる方もさっきのやりとりを見ているから既に四つのクループがぼんやりと出来上がっていたが気にしてはいけない)

その直後のEクラス戦はCクラスの独壇場だった。
何というか、僕が最前線に出る必要もなく、ただこちら側の現存戦力である姫路さんを筆頭に十数名を包囲陣に組み込んだだけで、代表も僕も、持ち点回復の試験を受けている間に終わってしまった。
つまりCがEを1時間以内に陥落させたという事だ。


その日の昼休み、私は妃宮さんを誘って学食に来た。
「今日は何にしましょうかしら」
「千早さん、前から思ってたんだけどもしかして食堂のメニューを一通り食べるつもりなの?」
「えぇ、一応何か新しい発見が有ればと思っているのですが……」
そう言いながら千早さんは醤油ラーメンの食券を買った。
醤油ラーメンって確かスープは完全にレトルトだったと思うんだけど…

私たちは向かい合った座った。
私は天ぷらうどんを、千早さんは醤油ラーメンを啜っている。
毎回思うんだけど、どうしたらそんなに動作の一つ一つが上品に、というより優雅に見えるようになるんだろう。
まねをしてみたいけれども、何となく私には似合わない気がするし、この学園でそんな所作が似合うのは千早さんだけだろう。

そんな事をぼんやりと思ったりもするけれども、本題に切り込んだ方がいいのだろうかと思い始めていた。
一人で抱え込めなくなったからって誰かに相談して、そのことで噂が噂を呼ぶようなことになり千早さんの迷惑に成って嫌われるなら、千早さんに直接ぶつけた方が遙かにいいはずだ。
あいつとの関係だってそうだった。人の口に戸は立てられないし、鍵もかけることは出来ないんだから。
そのためには人の口に立つような事に成らないよう、そんな事を考えている人を増やさぬよう、軽々しく口に出す訳にはいかない。

経験則で自分のこれからすることが、自分にとってもっとも最良の選択肢だとなかば念ずるようにしながら、私は口を開く。
「友香さん、どうかなさいま
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