第一部 最終話 彼と彼女の事情
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があちらこちらであがる。
「……参謀さん、質問に答えて。雄二が私の言うことを聞かなかったらどうなるのか。」
霧島さんの凛とした声が教室に響く。
一斉に教室中の視線が僕に降り注がれる。
交渉の時に、約束を履行しなかったときにペナルティーが掛かるようにしていたのはこのときのためなのだろう。
そしてその交渉の席にはFから出席していたのは僕一人、指名を受けた僕は彼女の要望に応える。
「はい、以前に申しましたとおりFクラスは今回の戦いでのみ設備をAクラスと入れ替える権利の喪失、及びFクラスの設備のグレードをさらに一段階落とす。これらがペナルティーとして課せられます。」
僕の言葉にしんと静まり返る教室。
全くの無償であったならば、恐らくFFF団の介入によって妨害させられるであろうというのを見切っていたのだろう。
たまたまのクリティカルにせよ、前々から考えていた虎の子の策であろうとも、このタイミングにおいて霧島さんにとって今回の最強の手札であろう。
そもそも、代表殿はクラス設備の向上を担保としてこの戦争を始めた。
つまり、霧島さんの告白を代表が受け入れたならばクラス設備の向上は叶い、また霧島さんも自身の望みを叶えることが出きる。
しかし、もし霧島さんの告白を受け入れなかった場合、クラスの設備は今のおんぼろな設備よりもさらに悪くすると言ってきているのだ。
さらにこちらから提案した秘密協定があるから、FクラスはAクラスに対して戦争を仕掛けることができない、つまり自分の首を絞める形に陥ることになる。
ありとあらゆる条件を、すべて自分の都合のいいように布石を打ち返してきた彼女の罠に、代表はまんまとはめられたという事だろ。
「…雄二、約束守るよね?」
一歩足を踏み出した霧島さん、教室中の空気がぴんと張りつめる。
「……くそっ」
舌を鳴らした音が教室中に響く。
「Fクラス諸君に聞く、お前等はどっちが望みだ!」
二人を取り囲むFFF団に代表は叫びかける。
Fクラスの代表殿による独裁政治から直接民主主義への一時的な移行とは何と思い切ったことを…
「雄二、僕は男として雄二のその姿勢を尊敬するよ。」
中身が恐らく吉井の黒覆面が一歩前に飛び出る。
「ほう、明久。お前は俺にどうしろと?」
「如何なる理由でも、僕は雄二みたいな不細工が霧島さんみたいな美人とくっつくなんて許すわけ無いよ!!」
霧島さんの策、失敗。
「「我ら異端審問会は、教室設備がたとえぼろい畳だけになったとしても、Aクラスからのペナルティーを甘んじて受け入れようじゃないか!」」
完全にFFF団の性質を読み違った霧島さん。彼らは単に欲望の固まりなのではない。
ただ少し、女の子といちゃいちゃしたいだけで純情な心をもっている、けれども女の子にモテないからリア充全般を敵視し、自分の身
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