第一部 最終話 彼と彼女の事情
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第一部/第二章 騒がしい春の協奏曲
〜結文〜
夢を見た、悲しい夢を
そのとき窓の外は薄暗く雪が降りしきっていた。
真っ白な病室の中では短いアラームが繰り返し、繰り返し鳴っていた。
看護師が二人の幼い子供の肩を抱き、その目の前のベッドには、今にも消え逝きそうな横たえた少女と、その手を握る母親の姿が見える。
枕元におかれた心電図を映し出していたモニタがついに一本線を表示し、心配停止を告げる長いアラームが病室に鳴り響く。
医師たちがベッドの上の幼い女の子に駆け寄り、彼女をこの世界に引き戻そうという努力が行われる。
けれども……
彼らを代表して、一人の医師が顔を歪ませて彼らに告げる。
「残念ですが……」
母親の泣き叫ぶ声が木霊する。
「千早さま、ちとせさまが…ちとせさまが……」
か細く泣き震える少女に抱きしめられた男の子が何か慰めの言葉を何か、自身も声を震わせながら少女に言う。
だから…
考えても仕様も無いことを考える。
あの時にもし役割が反対だったらどうなっていたのかと。
母に盲目的に愛された彼女が自分の代わりに今を生きていたならば。
そうであれば、運命は全く別のもので有ったのではないだろうか。
「 !」
そう大きな声で彼に告げるのは誰だろう。
浮かび上がるのは夕日を背にして彼は、どこかの屋上に立っていた。
貴女は誰?
彼に呼びかける彼女の声が、彼を前へと進ませる力となる。
貴女を
第二章 (五月)Cross Road 運命の交差点
12月中旬より更新開始
僕に見えない明日を 彼女たちが見せてくれるから
乞うご期待
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