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ファーストデート
第二章
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第二章

「あれでいいのね」
「そうよ。ついでに」
「そうねえ」
 ここで皆あらためて女の子の顔や身体を見る。そうしてそのうえでまた語ってきた。
「あとは。あれよ」
「梓、あんた色白いじゃない」
「ええ」
 梓と呼ばれた女の子は一人の言葉に頷いた。
「だから左手にペイントもいいわね」
「そうそう、夏だし」
「左手になのね」
「別に右でもいいわよ、それはね」
「別にね」
 これについてはどちらでもいいと話されたのだった。
「とにかく。瞬君の目を惹き付けるのよ」
「いいわね」
「瞬君の目をなのね」
 梓はその言葉を聞いてまたしても目をしばたかせた。その中にある光はきょとんとしたものになっていた。その目のまま語るのだった。
「惹き付けるの」
「デートは勝負よ」
「彼氏の目からその心をゲットするね」
 女の子達はここで拳を作って言ってきたのだった。
「女羽田梓の一世一代の大勝負なのよ」
「だったら。もう細かいところまで気を使ってゲットしないと」
 駄目だというのである。
「いざ、真剣勝負へ」
「わかったらもうとことんまでやるのよ」
 彼女達は話していく。最早それはまさに勝負へ向かうその声であった。さながら突撃をしに行くように勢いよく話をしているのだった。
「とことんまでね」
「わかったわね」
「とりあえずわかったわ」
 梓はその皆の言葉に一応は応えた。
「じゃあそうしてみるわね」
「ええ、絶対によ」
「細かいところまで気を使ってそうして彼の心もゲットする」
「後はもうその勢いで最後までよ」
 まさに一直線であった。
「わかったら全部ノートに書いておいて」
「って何よ、書いてないじゃない」
「書かないと覚えられないわよ」
 見れば梓の前には大学ノートが開かれている。丁寧にボールペンやサインペンまで側に置かれている。しかし書かれているものは何もなかった。
「折角重要なポイントなのに」
「さあ、書いて書いて」
「ええ、それじゃあ」
 梓は皆に応えてそのうえで書きはじめる。しかしここでこんなことも言うのだった。
「デートってこんなに大変なの」
「そうよ、大変なのよ」
「勝負なんだから」
 奇しくも男の子達と同じ感じになっていた。
「もうね。それこそ神風特攻隊になった気持ちでよ」
「体当たりで向かうのよ」
 女の子とは思えないような過激なものさえ出て来ていた。
「その為にはまだまだあるわよ」
「勉強よ、勉強」
「お勉強は学校のだけで充分だけれど」
 しかし梓はあまり乗り気ではなかった。ボールペンを手に取ってはみているがそれでも困った顔をしていた。
「デートにも必要なの?これって」
「必要不可欠」
「絶対条件」
「これをせずして人生はないわよ」
 これが
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