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パズル&ドラゴンズ 〜Sundara Alab?l? L?'i?a P?n? lil? 〜
1話.減らず口と睡蓮 〜邂逅〜
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、驚きを見せたのも束の間、女神はどこか得心したかのように、また微笑を――今度は、寂しさを滲ませた――浮かべた後、男から視線を外し、波打ち始めた眼前の空間を見据えた。
現れたのは、黒外套をはためかせ、一斉に携えた剣の切っ先を女神に向けた、青白き三体の吸血鬼の騎士だった。
現れた三体は、先兵として仕掛けてきた魔物たちとは違い、闇雲に突貫してくることはなく、様子を窺うようにじっと屹立している。
仕掛けてくる様子のない吸血鬼たちに、女神は中空に浮かんだ睡蓮を煌めかせ、三度閃光を照射せしめんと、力を漲らせた。
しかし、女神には光を発して吸血鬼の騎士を灼くことは叶わなかった。
粘つく大気が、重く、のしかかるように、女神を押し潰さんと質量を持って上空から殺到したからだ。
「―――――――――っ!!」
そこで、今まで全く揺るぐことのなかった女神の威容が、初めて崩された。
のしかかる超重力に、女神の表情が苦悶に歪む。
女神をしてここまで苦しめる超重力に、しかし男はなんの痛痒も負いはしなかった。
男の全天を覆うように、巨大な睡蓮が花開き、超重力から男を庇っていたからだった。
先の狂犬と妖女の攻撃を阻んだ時とは違い、凄まじい超重力に睡蓮が悲鳴を上げるように軋む。
男を守るための睡蓮の障壁の展開で精一杯なのか、身動きが取れない女神を嘲笑うように、ケタケタケタと、凶悪な鎌を携えた黒衣の死神が虚空から現れた。
明らかに今までの怪物とは格が違う冥府の死神に対し、女神は唇を噛み締めた。
そして、今の今まで整列していた吸血鬼の騎士たちが、この機を待っていたかのように、その手に闇色の炎を作り出して女神に向けて翳し、死神はケタケタケタと高嗤いし更に重圧を強めた。
喘ぐ女神を前に、昏い喜びを浮かべた怪物たちが総攻撃を開始せんとし、場の空気が澱みを増した、その時、
プチン
と何かが切れるような、この場には似つかわしくない音を、男の耳は捉えた。
ついでに、美しい彫刻のような女神の横顔が、ありありと怒りの表情を浮かべるのも。
直後、凄まじい轟音と共に女神から発せられた極大の閃光が、目の前を覆いつくした。
「――――――――――――!!!!」
あまりにも激しき光の奔流に、自らには全くダメージが無いにも関わらず、勢いに圧されるように、男は尻餅をつき後ろに倒れ込んだ。
眼前では、吸血鬼の騎士たちが総身を大きく傷つけ膝をつき、死神はケタケタ嗤いを止めて警戒するかのように女神を睨みつけている。
しかし、女神もまた無事ではなかった。
超重力に押さえつけられ、ただでさえ余力の無い状態であれだけの力を振り絞ったためか、女神は背を丸め、荒い息をつき、立っているの
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