第五十二話 蒼と朱
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抱擁を交わし、2人は別々の場所に向かう。
エックスはルナの元へ、そしてルインはブースター・フォレストへ。
そしてゼロとレイヤーが帰還し、アイリスが2人を迎えた。
レイヤーはゼロとアイリスに気を利かせ、部屋を後にした。
アイリス「ゼロ…アクセルのことだけど…」
ゼロ「なんだ?」
アイリス「何とか元のアクセルに戻せないのかしら…」
ゼロ「分からん。前にルインがイレギュラー化して元に戻ったという前例はあるが、あれはウィルスの過剰吸収が原因だったからな。アクセルの時とは似ているようで違う」
あの時のアクセルの言葉を信じるなら、アクセルもかつての自分と同じ“本来の自分”がいるのだ。
ウィルスで一時的に人格を上書きされたルインとは違う。
恐らくは記憶喪失のために新たに生まれた仮の人格なのだろう。
アイリス「…どうにもならないのかしら……また、大切な仲間がいなくなる…」
アイリスの脳裏に遠い昔、苦楽を共にしたレプリフォースの同志と、兄の姿が過ぎった。
ゼロ「…………」
ゼロもアイリスが今はもう完全に壊滅してしまったレプリフォースのことを思い出していることに気付いたために無言だ。
アイリス「ごめんなさい…。ゼロやみんなが戦ってくれているのに、こんな弱気な発言ばかりして…」
ゼロ「気にするな。お前は1人じゃない」
アイリス「ええ。独りぼっちはとても辛いものね。でも、私にはゼロやみんながいる。だから1人じゃないわよね…」
ゼロ「ああ」
アイリス「今のアクセルは独りぼっちなのよね…イレギュラーの人格に乗っ取られて、世界を傷つけようとしている…何とか助けてあげたい。戦えない私が言っても仕方ないけど…」
ゼロ「全ての元凶はシグマだ」
シグマがあのイレギュラーのアクセルの人格を引き出したのは、まず間違いないだろう。
ゼロ「今度こそ奴を倒す。そして奴との永い戦いもこれで終わりだ」
アイリス「ええ…私は一緒に戦うことは出来ないけれど。心はいつでもあなた達と一緒にいるわ。」
ゼロはアイリスの言葉に頷くと、壁に背を預けて目を閉じた。
次の戦いに備えるために。
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