第八話 小林中佐!!そんなのどうでもいいから女の子の水着だ!!その七
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「ファンもな」
「ですよね、まあ俺達もそれはわかってます」
「あと使う回数は、ですよね」
「多くてもいいんですよね」
「何か過ぎると頭によくないっていいますけれど」
「それを言うなら本番はどうなる」
どういう意味での『本番』なのかは読者の皆さんの想像に任せる。
「私は小学校の時から本番だけだが」
「って自分だけではですか」
「したことないんですか」
「ないな」
恐ろしい返答だった。
「私の場合は」
「何と、俺達がもう自分しかいなくても一日十回はしてるのに」
「悪田部さん最初からですか」
「一人で、はないんですか」
「右手が活躍したことは」
「ない」
やはりこの返事だった。
「一度もな」
「世の中こんな人もいるんだな」
「右手のお世話になったことのない人も」
「それこそ最初からか」
「相手がいるなんて人もいるのかよ」
「君達も速くだ」
その彼等もというのだ。
「経験することだ」
「だからそれはですね」
「出来ないんですよ」
「そりゃ卒業したいですけれど」
「これが中々」
風俗に行くことは彼等の夢が許さなかった。
「だから今はです」
「右手です」
「そうか、なら右手だけを使うことだ」
左利きの人の場合は左手になる、言うまでもなく。
「君達がそうしたいのならな」
「ううん、寂しいですね」
「とにかく相手がいないと」
「教えてくれる人募集中です」
「心から」
切実な願いである、二人にとっては。だが二人はどうしてもそこから先に踏み出せないでいるのだった。夢を持っているが故に。
その二人をよそにだ、西郷はというと。
海軍衆の山本と東郷からの報告を聞いてだ、目を細めさせてこう言った。
「そうでごわすか、桐山少尉も」
「はい、目出度くです」
「結婚となりました」
二人も西郷に笑顔で言う。
「これからはですね」
「子宝だけですね」
「子供は国のかすがいでごわす」
何故子供が出来るかは言うまでもない。
「それではでごわす」
「はい、少尉はこれからは」
「夜もですね」
「頑張ってもらい」
「子宝を」
「一人や二人ではなくでごわす」
言い換えると一回や二回ではないということか、子供は一回や二回で出来るとは限らないにしてもである。
「何人もでごわす」
「子供を設け」
「国家の礎としていくのですね」
「そうでごわす」
だからこそ夜も、というのだ。少なくとも結婚してまだ卒業していないということは有り得ない。例外中の例外はあるかも知れないが。
「子供は国家の礎であり宝でごわす」
「全く以てその通りですね」
「そして、ですね」
「正しく育てることでごわす」
子供への教育の大事さも言う西郷だった。
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