貴女の胸にいだかれて・1
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「イングズ、貴方今から私に対して敬語禁止ね」
「は? 姫様、それはどういう──── 」
「これから私は貴方達の仲間なのよ? 姫や兵士の立場は不要でしょう」
「 し、しかし…… 」
「いいじゃんそれで! じゃあサラ、改めてよろしくなっ!」
「ええ! ……ほらイングズ、今のルーネスみたいに私を呼び捨てにして?」
「せ、せめて姫とは呼ばずともサラ様と──── 」
「それではダメよ、仲間は対等なんだから」
「そうよねぇ、サラの云う通りよ。ねぇアルクゥ?」
「う〜ん、僕はせめて"さん付け"にしようかな……?」
「そ、そうだ、アルクゥの云うように"さん付け"で……!」
「だぁめ。……アルくんが私を"さん付け"する分にはいいけど、貴方には特に呼び捨てにして貰いたいの。いつも姫様ヒメさまって────聞き飽きてるのよね」
「ハラ括れよイングズ、呼び捨てにしてやれなきゃおまえ男としてヘタレだぜっ?」
「む、そこまで云われては………ッさ、サラひ─────サラ」
「あぁ……! 貴方に呼び捨てにされるのをどれだけ待ちわびた事か……!!」
「 大げさだわね 」
「ま、まぁこれで僕らの正式な仲間……かな?」
「けどな〜、サラに対して敬語抜きで普通に話せるようになるまで時間掛かりそうだな? ────うわっとっとぉ!?」
そこで何故かルーネスは蹴躓き、前を歩いていたサラが妙な声に気付いて身体ごと振り向いた途端。
─────ばふっっ
ルーネスの顔面が、サラの豊満な胸に埋もれた。
「 きゃああ?!」
「ぷはっ、ごめん、わざとじゃ……へぼっ?!」
バチィ、っと小気味よい音のビンタをサラから喰らう。
「あちゃ〜、何やってるのさルーネス……」
「絶対狙ってやったわね、あいつ………」
アルクゥは呆れるが、レフィアは顔を引きつらせている。
「ルーネス、貴様そこに直れ。成敗してくれるッ……!!」
戦士イングズはただならぬ黒いオーラを纏い、二刀の剣を抜き今にもルーネスへ踏み込まんとしている。
「い、イングズ、そこまでしなくてもいいわ。反撃はしたし、わざとじゃない……筈だもの」
恥じらうように胸を両手で覆い、頬を赤らめているサラ。
「その通りですわざとじゃありませんごめんなさい」
棒読みではあるが、ルーネスは正座して土下座する。
しかしその時、サラの背後に別のモンスターの気配が。
「 ………え? 」
サラが振り返った時には一匹のウェアウルフが鋭い爪を持った前足を降り翳し─────
「 サラ!!」
イングズは
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